第73回NHK紅白歌合戦の出場歌手43組が11月16日に発表された。
そこで「集英社オンライン」では「紅白歌合戦出場歌手のなかで注目する歌手は?」というテーマでネット&街頭アンケートを実施したところ、5人そろっての紅白出場はおそらく最後となるKing & Princeが堂々1位。2位、3位に乃木坂46、ウタと続いた。
今回の紅白の特別企画の出演をもって歌手活動を休止する氷川きよしや、若者から絶大な支持を集めるOfficial髭男dismなど、話題性のある歌手が名を連ねる一方、注目する出場歌手は「なし」との回答も4位と上位に…。国民的年末音楽番組としては寂しい回答だった。
〈年末アンケート〉ネット&街頭で300人以上に聞いた「今年、本当に紅白に出場してほしかった歌手は?」 常連の櫻坂46・中森明菜再び・お初のCreepy Nuts・ジャニーズ…1位は果たして…
年末の風物詩といえばNHK紅白歌合戦。だが、今年の出場歌手のラインナップには例年以上に不満の声が多い? そこで「集英社オンライン」が独自でネット&街頭アンケートを実施、日本国民が本当に見たかった歌手は? 集英社オンラインの記事を再公開する。(初出:2022年12月15日)〈ネットアンケートは2022年11月22日~11月30日におこない、285票が集まった。さらに秋葉原、渋谷にて街頭調査を12月1日~12月2日にかけておこない、無効票を除く合計333票を集計〉
注目する出場歌手は「なし」がまさかの4位に

かつての国民的アイドルも3年連続落選
サンドウィッチマンの伊達みきおも自身の冠ラジオ番組『サンドウィッチマン ザ・ラジオショー サタデー』(ニッポン放送)で、「新しい人多すぎ」「年配の人も見なくなっちゃうよ」とボヤいたことがネットニュースに取り上げられて話題となったが、たしかに今年は初出場のK-POPアーティストなど、世間になじみの薄い歌手が多い印象だ。中には「国民的音楽番組と呼んでいいのか」と疑問に思う人も少なくないだろう。
そこで、前述のアンケートでは「今年の紅白歌合戦に本当に出場してほしかった歌手は?」という質問も投げかけてみた。そのトップ10を紹介しよう。
10位 BUMP OF CHICKEN 8票

アニメ『SPY×FAMILY』の第2期オープニング曲として書き下ろした「SOUVENIR」が大ヒット
10位は同票で2組。昨年、2度目の出場を果たしたBUMP OF CHICKEN。今年は興行収入約97億4000万円を記録した『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の主題歌や、話題のアニメ『SPY×FAMILY』の第2クールのオープニング曲を担当するなど、活躍を見せたが、紅白には不出場。
「今年のコナン映画の主題歌や、『SPY×FAMILY』のOPがヒットしたし、カラオケでもよく歌われる。出場する資格があると思う」(10代男性・学生)
「去年より今年のほうが活躍は目立ってたと思うんだけどなぁ」(20代女性・看護師)
「とっくに国民的アーティスト。知名度だってミスチルに並ぶレベル。毎年出場してもいいと思う」(20代男性・販売)
10位 ジャニーズWEST 8票

ジャニーズ事務所
まだ紅白の出場経験がないジャニーズWESTだが、同じ関西出身である関ジャニ∞となにわ男子の出場を受けて、同グループも紅白の舞台で見たかったとの意見が聞かれた。
「関ジャニ∞やなにわ男子が出てるから関西勢3組が勢ぞろいする紅白が見たかった」(20代女性・フリーター)
「WESTも今年十分活躍してたと思うんだけど……」(10代女性・学生)
8位 AKB48 9票

AKB劇場
2009年から11年連続出場していたAKB48も、その記録が一昨年でストップ。国民的アイドルとして長年メジャーシーンに君臨してきた彼女たちの3年連続落選は、ひとつの時代の終わりを告げるものになったか。
「もう紅白常連ではないんだなってハッキリわかってしまい悔しい」(20代男性・会社員)
「今年こそは出て再起を図ってほしかったです」(30代男性・IT)
「AKBは落選したが、LE SSERAFIMとして宮脇咲良が紅白に出場するのでそれで満足」(30代女性・事務)
「バズったのに落選はあり得ない」
7位 米津玄師 11票

『シン・ウルトラマン』主題歌「M八七」のジャケット
いまや日本を代表するアーティストである米津玄師の名前もなし。話題作『シン・ウルトラマン』の主題歌などを担当しており資格は十分のはずだが、これほどのビッグネームも紅白に出場したのは2018年のみ。落選ではなく、辞退との見方もある。
「『チェンソーマン』のOPが好きだから歌ってほしかった」(30代女性・商品企画)
「米津玄師はニューヨークへ進出(巨大街頭広告の掲載や同地のイベントでのMVの上映)していたし、世界的アーティストになったと思うのに紅白で見られないのはもったいない」(30代女性・事務)
6位 Sexy Zone 12票

ジャニーズ事務所
2013年から6年連続出場するも、その後は4年連続不出場となっているSexy Zone。今年は菊池風磨や中島健人、佐藤勝利ら個人の活躍は目立ったが、マリウス葉が2020年から体調不良で芸能活動を休止しており、“完全体”で紅白に戻ってくる瞬間をファンは心待ちにしている。
「(同じく不出場の)Kis-My-Ft2もSexy Zoneも今のジャニーズでは冷遇されてる感じがします」(40代女性・主婦)
「セクゾの紅白落選が当たり前になるのだけは嫌だ。5人揃ったら絶対にまた出るって信じてます」(20代女性・販売)
5位 YOASOBI 13票

YOASOBI/THE BOOK 2より
「小説を音楽にするユニット」という斬新な世界観でブレイク。2020~2021年と連続出場して紅白の常連となるかと思いきや、今年は出場歌手リストに名前なし。ボーカルのikuraは個人名義の幾多りらで「milet×Aimer×幾田りら×Vaundy」として出場するが、やはりYOASOBIが見たかったというファンも多いようだ。
「紅白で(ダウンロードチャート1位の)『祝福』が聞けると思ったのに……。今年の紅白は見ないかもな」(20代女性・栄養士)
「あんなにMV(『群青』のMVはYouTubeで1.2億回再生を達成)がバズったのに出ないなんてあり得ない! NHKは何を考えてるの?」(30代男性・自営業)
「落選なのか辞退なのかわからないけど、紅白でYOASOBIを見られないことに変わらないから悲しい。気持ちよく年を越せない」(20代女性・事務)
80年代を代表する歌手がそろって不出場
4位 松田聖子 14票

SEIKO MATSUDA 2020【通常盤】より
昨年12月に最愛の娘、神田沙也加を亡くし同年の紅白を辞退。しかし、今年は5都市12公演のコンサートツアーを完走するなど歌手活動を精力的に行っていた松田聖子。それだけに紅白への返り咲きが期待されたが、不出場は最愛の娘を失ったこととも関連があるのか。
「沙也加さんの紅白初出場(2011年)は聖子さんと共演。ふたりの思い出の紅白で聖子さんの歌を聞きたかった」(60代女性・主婦)
「80年代を代表するアイドルで老若男女が知っている歌手。彼女みたいな人が紅白にふさわしいと思う」(60代男性・物流)
3位 Creepy Nuts 15票

Creepy Nuts 「INDIES COMPLETE」より
日本語ラップやヒップホップをポップカルチャーまで押し上げ、若い世代を中心に絶大な支持を集めるCreepy Nuts。DJ松永は東京オリンピックの閉会式でパフォーマンスを披露するなど、名実ともに日本を代表するアーティストとなったが、昨年に続いて紅白落選。念願の初出場はいまだ叶わず。
「そろそろNHKも本格的なラッパーを出場させるような懐の広さを見せてほしい。紅白にも新しいジャンルの開拓を!」(20代男性・フリーター)
「CreepyNutsは数年前から騒がれているのにいまだに出場できないのはもどかしくて仕方ない。出場してヒップホップ界を盛り上げてほしかった」(10代男性・学生)
「親交のある佐久間宣行のオールナイトニッポン0でも落選をいじられているし、本人たちは出たいだろうけど、落選は落選でおいしいと思ってそう。でもやっぱり紅白で見たい」(20代女性・出版)
2位 中森明菜 19票

ベスト・コレクション~ラブ・ソングス&ポップ・ソングス~より
初出場は1983年、18歳のとき。それから6年連続を含む8度もこの舞台に立ってきた中森明菜だが、2014年以来、紅白ではその姿を見せていない。2018年から活動休止中だったが、今年8月に個人事務所を設立。デビュー40周年の節目&復帰の舞台として紅白はおあつらえ向きだったが、残念ながら出場は実現しなかった。
「出場するかも……って噂を聞いたから期待していたのに!」(50代男性・営業)
「紅白はギリギリでビッグアーティストの追加発表をすることがあるからまだ諦めてません!」(50代男性・飲食)
「体調が悪いらしいから無理はしてほしくないけど、昔からのファンとしたら紅白の舞台で明菜ちゃんを見てみたかったな……」(40代男性・塾講師)
まさかの落選でリーダーが謝罪! ファンは大ショック
1位 櫻坂46 37票

櫻坂46、4thシングル『五月雨よ』より
街頭アンケートを実施したエリアのひとつ、秋葉原で圧倒的な強さを見せたこともあり、今回のランキングで第1位を獲得したのは櫻坂46。前身の欅坂46で2016年に初出場してから、昨年まで6年連続出場。しかし、今年は紅白とレコード大賞の両方に落選し、キャプテンの松田里奈がブログでファンへの謝罪を綴るなど、その期待が大きかったことを物語っている。乃木坂46や日向坂46が出場するなかでの落選通知。落胆の声が秋葉原の街を中心に渦巻いた。
「平日に2デイズで東京ドーム公演ができるグループなのに不出場なんておかしい!」(10代男性・学生)
「今年は東京ドーム公演やアルバム、メンバーの写真集の発売、結成2周年、元キャプテン卒業などがあって大きな1年だったから紅白歌手にふさわしいはずなのに……」(20代男性・モデル)
「毎年3組の坂道グループの見るのが恒例になっていたのに。時代が変わったようでなんだか悲しい」(20代男性・建設)
今回のアンケートの結果、有効回答数が333票、うちTOP10で集めた投票数が146票ということで、残りの187票はランク外の歌手115組で分け合うかたちに。多様性が求められる現代は音楽のジャンルも細分化。好きなアーティストも人それぞれで、老若男女から支持されるスターを探すことは決して簡単ではない。しかも、歌手側から「辞退」されることも多いとみられ、NHKは紅白の出場歌手選定にさらに頭を悩まさなければならない時代になったといえそうだ。

ちなみに、アンケート集計段階で、back number、藤井風、松任谷由実も当初はTOP10にランクインしていたが、いずれも追加発表にて出場が決定している。後出しでの発表は話題づくりのためかもしれないが、どうせなら一斉に発表したほうが“お祭り感”が増すような気がするのだが……。

1位は櫻坂46、2位は中森明菜と続いた
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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