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小1のときから詰将棋が非常に得意だった

将棋内容だけでなく、対局中の「勝負めし」や「おやつ」までが話題になってしまう藤井八冠。常に冷静で慎重に言葉を選びながら話すイメージが強いが、幼少時代は少し様子が違ったようだ。

藤井八冠が初めて将棋にふれたのは5歳の夏。祖母が引っ張り出してきたのは、駒にそれぞれの動かし方が書かれている初心者向けの将棋盤「スタディ将棋」だ。
あっという間に将棋で勝つことの楽しさに魅了され、自宅から車で5分ほどの場所にある「ふみもと将棋教室」へ通い始める。そして幼稚園の終わりごろから、将棋大会に参加するようになった。
現在、名古屋OJAベビースター所属のeスポーツ選手で、eスポーツ高等学院講師も務める、ののさんが最初に「藤井聡太」と出会ったのは、地元・名古屋の将棋大会。藤井八冠はまだ幼稚園児だった。

名古屋OJAベビースター所属、本格対戦型デジタルTCG『Shadowverse(シャドウバース)』のプロeスポーツ選手、ののさん(RSPL 21-22  1st Season出場時)
名古屋OJAベビースター所属、本格対戦型デジタルTCG『Shadowverse(シャドウバース)』のプロeスポーツ選手、ののさん(RSPL 21-22 1st Season出場時)
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「いくつかの将棋の大会で見かけましたが、第一印象は年齢の割に強い子だなと。
私は藤井先生の6歳年上なので、そのころは直接対局することはありませんでした。ただ私の4歳年下の弟も将棋を指していて、藤井先生とも当たることがありました。
ですので、最初は弟の対局相手として見ていたことを覚えています」(ののさん、以下同)

その後、藤井八冠は2010年3月に日本将棋連盟の東海研修会に入会する。研修会とはプロ棋士養成機関である奨励会へ入る前段階の塾のようなもの。ののさんは先に同会へ入会しており、東海研修会元幹事で日本将棋連盟公認の棋道師範の竹内努氏のもとでともに指導を受けることとなった。

「小学1年生で入会した当時の藤井先生は当時の私の目からも幼く見えましたし、体も小さくて正座をしても将棋盤に手が届きにくいから、必死に手を伸ばして駒を動かしている姿がかわいかったです。
でもかわいいだけではなくて、若くて勢いのある存在にも思えて、『すぐに追いついてくるのでは』という焦りを感じたのも正直なところです。
あと強く印象に残っているのが、詰将棋が非常に得意だったこと。しかも解くだけではなく、自分で詰将棋の問題を作って他の研修会員たちに解かせてもいました。小学生低学年なのにすごいなと思いました」