兄弟子が送る藤井八冠へのエール
研修会で「Aクラス」になれば、プロ棋士養成機関である奨励会に入会できる。それもあって小中学生ながら、研修会は常に真剣勝負の場でもあった。
師範の竹内氏も常々、真剣に対局することの大切さを説いていたという。藤井八冠のたぐいまれな集中力はここで培われたのかもしれない。
そして、藤井八冠は2012年、奨励会に入会。現在の師匠でもある杉本昌隆八段の門下生となった。
「自分はその半年後に奨励会を辞めたので、一緒に奨励会で指導を受けた時期は短いものでした。でも同じ杉本先生の門下生でしたので、藤井先生が入会したてのころは積極的に面倒を見るようにしていました。
小学生と高校生という関係なので、将棋以外の遊びなどには誘うのが難しい面もありましたが」
最後にののさんは藤井八冠に“兄弟子”ならではのエールを送る。
「藤井先生がタイトルをかけて対局しているのを見ていると、当時のタイトル戦をケータイ中継で見て盛り上がったり、お互いに意見を言い合ったりしたのを思い出します。
八冠という偉業達成を、本人はどこまで意識しているかわかりません。でも現状に満足せず、さまざまな取り組みに常に挑戦し続ける人ですから、必ずや達成してくれると信じています。
自分は藤井先生にとっては何もできない兄弟子だったので、ちょっと図々しくなってはしまいますが、『ジャンルは違うけどお互い頑張っていきましょう』と言いたいですね。まあ、もうとっくに頑張ってますからね、見習って私も頑張ります!」
#2につづく
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班