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「べジ(野菜)ファースト」より「プロテインファースト」

食事をする際、食材ごとに食べる順番を意識することも、体の老化防止に効果的です。一番のポイントは、糖質をできるだけ後回しにして、血糖値の急上昇を避けることです。

糖分を摂って血糖値が急に上がると、脳は血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを分泌します。血糖値が緩やかに上がる分には問題ないのですが、急上昇すると、脳は「この血糖値を早く下げなくてはいけない」と判断し、多くのインスリンを分泌します。

インスリンには糖分を脂肪分に変える働きがあるため、血糖値の急上昇が起きることで、体に余計な脂肪をため込んでしまうのです。

だからこそ、食事をする際は、血糖値の急上昇を避け、緩やかに上昇するような食べ方を心掛けてほしいのです。

その上で、お手本にするべきなのが、日本の懐石料理です。料亭などの食事では、最初に野菜や魚などを使った前菜が出て、焼き魚、肉などの主菜を経て、最後に〆としてご飯が出てきます。

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実は、これは血糖値の急上昇を避け、老化に対抗する上で、非常に効果的な食べ方です。

食事の最初に野菜を食べると、野菜に含まれる食物繊維がその後に摂取する糖質の消化吸収を遅らせ、血糖値の急上昇が抑えられ、ダイエットや糖尿病の予防・改善の効果があります。

昨今は、この「ベジ(野菜)ファースト・カーボ(炭水化物)ラスト」という考え方が普及しており、多くの方が実践するところかと思います。

ただ、私自身は、60代以降の人は、たんぱく質を最初に摂る「プロテインファースト」が望ましいと感じています。

人間は誰しも、次第に食が細くなります。最初に野菜を食べる「べジファースト」を貫いていると、野菜だけで空腹感が満たされて、たんぱく質をしっかり摂ることができません。メイン料理を十分に味わうこともできないため、食事を楽しめなくなってしまいます。

だからこそ、まずは「プロテインファースト」で、次が野菜、その次が炭水化物という順番に変えてみてほしいと思います。しゃぶしゃぶなどもそれが可能な料理です。