#1  #2  #3  #4  #5  #6  #7       #8     #9  #10   #11

ボールペンを膣に入れられ…

兵庫県で生まれた向原詩(仮名)の母親は知的障害を持つシングルマザーで生活保護を受けていた。だが、アルコール依存症だったこともあって、ネットで知り合った男性と会っては“お小遣い”をもらうことで、酒代をまかない、暮らしていた。母親の異性関係は相当乱れていたという。

彼女には5人の子どもがいたものの、すべて父親が違い、結婚歴は1度しかなかった。詩は4番目の子で、一番上の長女とは6歳違いだった。

ほぼ毎日、母親は男と出かけていたため、長女が家事やきょうだいの面倒を見ていたそうだ。詩にとって母親はとても恐ろしい存在だったと、当時を振り返る。

「ママは、私が髪の毛を1本でも落としたら怒って叩いてきた。『汚い!』『片付けろ!』って顔を叩かれた。だから、ママが家にいるときはすごい怖かった。寝ていても毛が落ちてないかって気になって寝られなかった」

写真はイメージです   写真/Shutterstock
写真はイメージです   写真/Shutterstock
すべての画像を見る

のちに、詩には発達障害があることが判明するが、きょうだいにも似たような傾向があり、家では会話らしい会話はほとんどなかったという。小学5年生のとき、母親がアルコール依存から吐血して入院することになった。これを機に、きょうだい5人は児童養護施設に入ることになる。詩は一番下の弟と同じ施設だったが、他の3人は別々の施設へ行った。

詩が性犯罪の被害にあったのは入所後すぐのことだった。施設にいた中学生の少女から毎日のように裸にされ、膣にボールペンを入れられるなどされたのだ。また、その少女が同じ中学の不良の男子に「この子はやれるよ」と言ったことで、男子生徒がたびたび下校中の詩を待ち伏せし、体を触るなどした、と詩は話す。

「女の先輩(同じ施設の中学生の少女)は嫌い。いじめるから。でも、男の人(から付きまとわれるの)は別に嫌いじゃなかった。学校の子たちみたいに私のこと『汚い』って言わないから。だから、ちょっと怖かったけど、嫌いじゃなかった」

同級生からの過酷ないじめより、性的興味を露骨に示してくる中学生のほうが「(自身が好意的に)受け入れられている」という感覚があったのかもしれない。

施設の職員に医者のもとへ連れて行かれ、彼女が発達障害と軽度の知的障害と診断されたのは、そのころだったという。