#1
#3

得意だからと言って、時間を浪費するのは大間違い

外注を言い換えるならば、「投資」とも言えるかもしれません。

外注すると、人やモノやサービスに「投資」することになると考えるならば、もちろん、損をするリスクも、当然あります。

せっかく外注をするなら、可能な限り損をしたくないものです。金融投資と同じで、リスクを管理するためのコツは存在します。

それは「自分でやるよりも、コスパがいいかどうか」で、判断することです。

たとえば、「自分とルンバを比較して、どちらの方が部屋をきれいに保てるか」を比べてみましょう。掃除がそんなに苦ではなく、掃除自体も上手な人なら、かかるコストが「ルンバ>自分」となるので、外注しなくても、自分でちゃちゃっと片づけてしまえばいいわけです。

しかし、掃除がものすごく苦手だったり、忙しくて掃除の時間が取れなかったりする人なら、「ルンバ<自分」なので、ルンバへの投資は、断然お得になります。

社会人の学びなおしで勝ちたいなら“勉強を外注”せよ。人に仕事を任せられない会社は成長しないのと同じ発想がもたらす根拠とは_1
すべての画像を見る

一言で言うならば、自分の不得意分野を外注すれば、基本的に損はしません。

このように自分が苦手なことを外注化するのは、それほど難しくありません。そもそもできないのであれば、人に頼むしかありませんから。料理が苦手なら、外食したりコンビニで買ったりすればいい。掃除が苦手なら、ルンバや家事代行にお願いすればいいわけです。

外注のときに、問題になるのは「得意なこと」をどこまで手放せるか、です。

自分でもできることを人に任せるときの判断は、かなり迷います。自分でもできることはつい「外注するより、自分でやった方が早い」なんて思ってしまうんですよね。

これは「比較優位」と呼ばれるものです。

有名な喩えで「弁護士と秘書」という話があります。とびきり有能な弁護士が、文書作成のタイピングにおいても、その秘書に比べて早くて得意だとします。

その際に、「自分でやった方が速い」とタイピングまで自分でやってしまい、弁護士業務に割く時間が短くなったとします。すると、弁護士はより稼げる弁護士業務を一部削って、単価の相対的に安いタイピングに割り当てたことになります。結果として、全体の生産性は落ちてしまうと言うわけです。

このような場合、「得意か、苦手か」は、外注するかどうかの判断基準にはなりえません。