限られた時間を、最大限活用する勉強法

「何をどのように外注するか」のもう一つの判断基準は、戦略の基本と同じで、「ゴール」から逆算することです。達成したいゴールを基準にすれば、外注すべきものが見えてきやすくなります。

そのときに念頭に置いておくべきなのは、達成したいゴールには「制限時間」があることです。

「次のTOEICの試験で」800点を取りたい。
「30歳までに」転職するためにこの資格を取りたい。

と、目標には制限時間がついていることが普通です。

制限時間を意識した際には、能力的には自分でできることでも、時間的に全部することは不可能だと気づくはずです。

たとえば、料理も掃除も、仕事も全部やりたいし、その上で勉強もやりたい……。
なんて言っていたら、キャパオーバーしてつぶれてしまいます。少しはゆっくりしたり、好きなことをしたりする時間も、人間には必要です。

そうなると、もう残る時間は少ししかありません。
能力的にはできるけれども、できることを全部やろうとしていたら、まったく手が回らない。「できるけど、自分でやる必要のないこと」は、やっぱり外注する必要があるのです。

社会人の学びなおしで勝ちたいなら“勉強を外注”せよ。人に仕事を任せられない会社は成長しないのと同じ発想がもたらす根拠とは_2

確かに、「自分でやった方が、人に任せるよりクオリティが高い」という人もいます。しかし、自分の方が外注先よりも仮に能力が高かったとしても、「アウトプットの質」で比較すると、正直そんなに変わらないことも多いものです。

というのも、自分には時間がなくて活動時間が10分しか取れない場合には、能力的には自分の半分に満たなくても、外注先に2時間かけて仕上げてもらった方がいいアウトプットができるからです。その2時間で、自分は自分でできることを進めた方がよっぽど効率的に物事を進めることができます。

つまり、自分の時間的なリソースも考えつつ、いいアウトプットを出してくれそうな人に頼めば良いわけです。

たとえば、掃除がすごく得意で、ルンバよりも自分の方がきれいに掃除できるとします。短期的に見れば、自分で掃除した方が、良い結果を得られるかもしれません。

でも、ルンバに掃除してもらっている間、自分は仕事や勉強や睡眠など、もっとリターンの大きいことに時間を使えます。

少しぐらい部屋の隅のホコリが残っていたとしても、自分はルンバのマイナスを補って余りあるくらい価値があることに時間を使えばいいのです。