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「グラビアアイドルは議員を目指すべきではない」という誹謗中傷

永井さんはさいたま市議会選で3213票を獲得し見事初当選を果たしたが、これまでの芸能人出身議員とは一線を画した部分がある。選挙においても自身がグラビアアイドルであったことを隠すのではなく、堂々と公でも語っていることだ。

「グラビアアイドルは議員を目指すべきではない」「性を売りにしていた人間が議員になるのはおかしい」。30歳の元グラドル議員が偏見、誹謗中傷を受けてでも政治家を目指した理由_1
立憲民主党・さいたま市議会議員の永井さん
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立憲民主党のサイトでの候補者インタビューの中でも「政治の世界で活動し始めてから、グラビアアイドルについて、女性のやる仕事として地位が低い。議員を目指すべきではないというような差別的発言もあります。でも私自身はそうは思いません」と、グラビアアイドルへの偏見とに対して毅然とした態度を示している。

グラビア活動について「私自身も誇りと信念を持って活動してきた」と話す永井さん。一方でその経歴への誹謗中傷があるであろうことは政治家を志すときから覚悟していたという。

「政治活動を始めるにあたって枝野(幸男)議員と面接した際、『そうした偏見、誹謗中傷はあると思うが、大丈夫か?』と聞かされていましたし、覚悟はしていました。だからといって経歴を隠そうとは思わなかったです」

「グラビアアイドルは議員を目指すべきではない」「性を売りにしていた人間が議員になるのはおかしい」。30歳の元グラドル議員が偏見、誹謗中傷を受けてでも政治家を目指した理由_2
立憲民主党前さいたま市議会の小川議員(左)と枝野幸男衆議院員(右)と投票日前日の演説

高校生の時にスカウトされたことがきっかけで芸能活動を始めた永井さんだが、進路を決めた理由には。自身が母子家庭であることも大きかったという。

「母子家庭なので大学に行くにもお金が高い。もし芸能人になればお金を稼いで、お母さんに楽をさせてあげられるかなと考えてタレントの道に進みました。でも入ってみると、稼ぐどころじゃなくて(苦笑)。
イエローハットさんのCMにも出ていましたが、たぶん芸能人としての収入は皆さんが想像するよりも全然入っていない。グラビア活動自体もお金は稼げなくて、本当にカツカツでした。周りには『事務所を変えた方がいいよ』とずっと言われてたんですけど、お世話になっていたし、なかなかやめられなくて」