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15歳で妊娠・出産…セーラー服で保育園に送迎する日々

介護福祉士として働きながら、県からの任命で介護の特別チームのメンバーを兼任する吉田裕子さん(55歳、仮名)。彼女がかつて22歳から41歳までソープランドの人気嬢として働いていたことを知る人は、夫以外、誰もいない。

中3で担任の先生との子を妊娠・出産。高校卒業後、温泉コンパニオン、愛人、ソープ嬢を経た元風俗嬢が2度のがんを乗り越えて追いかける夢_1
「私の少女時代はハードモードだったんですよ」と自嘲気味に語る吉田さんだが、聞くと本当にハードだった。
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「9歳の時に両親が亡くなり、母方の祖父母に育てられました。不自由ない生活でしたが、どこかで寂しかったんだと思います。中3の時の担任の先生に毎日のように寂しさや満たされなさを話すうちに男女の関係になりました。

誤解のないように言うと、先生に憧れの父の姿や自分を守ってくれる男の姿を見て、私から誘ったんです。その行為は当時の複雑な環境で思春期を過ごす私にとって慰めだったから。そして15歳で妊娠したんです」

高校進学前の15歳で妊娠、それは衝撃的な展開だが、本人はただただ嬉しかったという。

「子供ができた、家族ができた、という喜びであふれました。産む以外の選択肢はなかった。祖父母はもちろん先生ともしっかり話をし、先生は『認知はできないが養育費と生活費で20万円を子供が成人するまで毎月払い続ける』ことを約束してくれました」

中学卒業と同じタイミングで出産。高校進学後は子供は登校前に保育園に預け、学校が終わると共に連れて帰ったという。

「セーラー服で保育園に子供の送迎をする姿は、他の母親から見たら自分のきょうだいを送迎するお姉ちゃんくらいにしか見えてなかったと思う。高校卒業までは先生からいただく養育費と生活費で暮らし、卒業後は温泉コンパニオンになりました。

当時はバブルでコンパニオンの仕事は忙しく、昼間に1軒の旅館に行って帰るだけで月30万円は稼げました。子供に寂しい思いをさせたくなかったので、子供との時間をしっかり作るために夕方には帰っていました」