#1 ヤクザの親分の父と愛人の母の間に生まれて…「俺に文句あるのか!」とツッパりまくって生きてきた高知東生は罪を犯した後、どう生き直しているのか
#2 自殺直前の母がつぶやいた忘れられない一言。「大人は誰も信じられない」連日の喧嘩で上京、AVプロダクション設立、嘘だらけの芸能界デビュー、嶋大輔との伝説の喧嘩を高知東生が語る
「男は信じた人のために尽くすんや」それは間違いでした。
――そして2016年6月、覚せい剤と大麻の所持で現行犯逮捕されます。
しかもラブホテルで愛人と一緒に。完全にスリーアウトですよ。散々報道もされましたけど、踏み込んで来たマトリ(麻薬取締官)に思わず「来てくれてありがとうございます」と言ったのは、これでやっと終わる、と思ったからです。
薬物をやっているときは、薬物にも、一緒にやっていた相手にも依存していたんです。まさに共犯関係というか。人間関係が絡んでしまったからこそ、お互いに「もうやめよう」って言えなくなるんですよ。
――その後、執行猶予期間を経て、ご自身の中ではどんな変化がありましたか。
何もかも変わりましたよ。それまでは義理・人情・筋・ケジメだけで生きてきましたから。幼い頃からその世界しか知らなかったんです。
小さい頃の記憶として、俺のことを可愛がってくれていた組の人が、あるときヒットマンとしてカチコミに行って、帰らぬ人になったんです。そのとき母親は、「男は信じた人のために尽くすんや」って、さらっと言いました。それを俺も信じ込んでたんですね。だから自分が大きくなって、仲間に助けを求められたときには、事情も聞かずに助けたし。
でもそれは間違ってました。ヤクザの世界では常識でも、一般社会では通じないことが多々あります。それをカタギのくせにかっこつけて真似してね。