エース不在で「総力戦」がキーワード

今季の駅伝は、エースの松山和希(3年)をケガで欠いたことも響き、出雲駅伝が9位、全日本大学駅伝は8位と上位争いに加わることができなかった。

だが、これは停滞だと決めつけられない。今年度の東洋大は、夏にマラソンに挑戦したり、駅伝シーズン直前に主力が1500mのレースに出場したりと、新たな取り組みもしており、むしろ、もう一段ステップアップするための過渡期と見てもいいのではないだろうか……。

その上で、箱根駅伝の展望に移ってみたい。

エースの松山は、ケガが100%回復せず、加えてエントリー直前に体調を崩したこともあって、箱根の16人のメンバーから外れた。

「松山の抜けた穴を埋めるのはなかなか厳しい」と酒井監督も認めるように、2年連続でエース区間の2区を担った松山の不在は、箱根を戦う上で大きな痛手だ。

一方で、出雲、全日本とエースを欠いても、何とかしのいできたのも事実。

「私も含めて、他の選手たちも、松山に頼らないで自分たちでやるんだという覚悟はできていると思います。チームとしては難局になりますが、ここを乗り越えることは、チームにとって非常に大きな力になると信じています。総力戦でいきたいと思っています」

酒井監督が口にした「総力戦」が今回のキーワードとなりそうだ。

前回の箱根駅伝も、4区を終えた時点で12位と苦戦。往路を9位で折り返すと、なかなか順位を上げられずにいた。だが、粘り強く復路の選手たちがタスキをつなぎ、終盤の2区間で順位を押し上げ、4位でフィニッシュしている。

爆発力に課題は残るが、多少のビハインドにも大崩れしないタフさが、このチームにはある。

「今回も同じように、復路でしっかり追い上げをしたいと思っています」

酒井監督は、前回と同じようなレースプランを思い描く。そして、それを実現できる選手はそろっている。