カッターで手を切られた少女A子ちゃんが医療相談へ

「広場に来たのは6月頃から。TikTokやツイッターを見ていたら、自分と同じようなファッションが好きだったり、似ている子がいたから、友達になりたいなって思って、遊びに来るようになった。
学校にも友達はいるけど、表面的というか……。私、うつ病とかパニック障害があって児童精神科に通ってる。そういうことは学校の友達には話せない。話すと、その子のお母さんから『あの子とあまり付き合わない方がいい』みたいに言われちゃうだろうし。カウンセリングにも通わされているけれど、そこでは話して終わり。わかってくれる人とかは家の近くにはいない……。お互いに素性がわからないからこそ話せることもあると思う。ここで出会った子たちとはニコイチでなんでも話せます」

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炊き出しに準備されたお菓子

ニコイチとはいつも一緒にいる親友のこと。その親友のB子ちゃんとは、トー横で数か月前に出会ったそうだ。B子ちゃんの家には両親がいないため、誰でも泊まれる状況で、今夜A子ちゃんはB子ちゃんの家に泊まるのだという。
そのB子ちゃんは、トー横から帰った後は、仕事から帰ってくる兄のためにご飯を作らなければならないと話していた。父子家庭なのだが、父親はいつもどこかに出かけているからいない、とのことだ。広場に集う子どもたちには子どもたちの理由があるようだった。

19時近くなった時だった。声かけスタッフの1人が怪我をしているC子ちゃん(15歳)を見つけた。手の甲に生々しい赤い傷がいくつもついている。「元カレに切られた」とC子ちゃんは呟く。


「カッターで切られた。元カレDVなんですよ。殴ったり蹴ったりするから別れたのに今でもお金欲しさにつきまとってきて……。慣れてるから見た目ほどではないんだけど、痛いですね(笑)」

C子ちゃんの手にはリストカットの痕もいくつもあった。慣れているというのは、体に傷が付くことに対してである。スタッフがC子につきそい医療会場へと向かった。

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リストカットの痕が残る少女

「リストカットはパニック起こしたときにやっちゃいますね、あとは暇潰しで切っちゃうときも。私はもう半年くらいココに来ています。親は『自覚のない虐待』って感じでした。母親は門限すぎたら閉め出したり叩いたり、父親は物を投げたり正座させて延々と説教してきたり。一度、中2の時に精神的に不安定で入院して、退院後も学校で倒れちゃったんです。そこで初めて、言われすぎると倒れちゃう体質ってわかって……。親もそこで教育の間違いに気づいたみたいで、そこからはおとなしいです。

小学校は明るくしてないと嫌われるから陽キャを演じて何とか“1軍”にいたんですけど、どんどんつらくなっちゃって……。小4の時ですかね、つらさがピークになって気持ち悪くなってトイレに行ったら、そこで仲の良い子が自分の悪口を言ってるのを聞いちゃったんです。それからイジメがはじまって、足を掛けられたり、転ばされたり、階段で押されることもありました。中学に上がっても、同じメンバーがいるから、ドンドン学校に馴染めなくなっていきました」