上京3か月で連載決定、しかもデビュー作がテレビドラマ化!
――上京してたった3か月で連載が決まるって、実はすごいことですよね。
そうなんですよね。僕がいたトキワ荘の中でも早い方だったので、ありがたかったです。
――トキワ荘の人たちとは、ライバル意識みたいなものもあるんですか?
人によると思いますけど、僕はまったくありませんでした。いまもそうですけど、僕は絵が全然描けないので、みんな師匠ぐらいの気持ちでいましたね。全員年下なんですけど(笑)
――本作は、2013年にNHK Eテレでドラマ化もされています。連載開始が2011年で、単行本発売が2012年、その翌年には映像化とかなりのトントン拍子です。
本当にありがたいですよね。ただ、メディア化みたいなことは想像もしていなかったので、本当に人ごとみたいな気持ちでした。
――ドラマ化の話はどんな経緯できたんですか?
めちゃめちゃコネなんですよ(笑)。担当編集のいとこの方がテレビディレクターで、いつも編集さんが自分の担当した漫画を送っていたらしいんです。で、『僕にはまだ 友だちがいない』を読んで面白いと思ってくれたみたいで、『青山ワンセグ開発』(NHK Eテレ)という若手ディレクターの登竜門的な番組に出すために3話分を作ってくれたんです。番組で優勝をすると最後まで作れる権利がもらえるんですけど、優勝できて全13話作っていただけました。
――主演の浜野謙太(ハマケン)さんのことは、ご存知でしたか?
映画が好きなので、役者としては前から知ってました。『婚前特急』という作品で初めて見たんですが、異様なキャラクター性にすごく惹かれて。だから、主演がハマケンさんと聞いてうれしかったですね。
――いってしまえば、中川さんご自身を演じるわけですからね。
そうですね。いま「異様な」って言っちゃったとこですけど(笑)。ハマケンさんとは雑誌の対談企画のときに、作品にひっかけて「友だちになりますか?」みたいな話題に一瞬なったんですけど、それ以降の交流はいまのところ特にありません。