コットンに「1本目にやる方を教えて」って聞いたら……
――準決勝では、1本目に『ぴったり』という、女友達だと思っていた子が、実は女装していただけで本当は男の子だったというネタ。そして2本目がこの『野犬』でした。決勝ではネタの順番が逆になっていましたね。
原田 悩んだんですよね。本当は『野犬』の方が派手なネタなので、ファイナルステージまで残ったら、あっちの方がウイニングランみたいになるんじゃないかなと思っていて。
きん 優勝できるとしたら、そのパターンだと思っていたんです。
原田 ただ、僕らの前の組のコットンが『証拠』という浮気の証拠を消す業者のコントをやることになっていて。そのネタも女性がカツラを脱いで、実は男だったというシーンがあるんです。あそこが『ぴったり』と被るんですよ。しかも僕らがコットンの後の出番だったので、後の方が絶対、笑いは少なくなるんで。
――そういう場合、コットンさんに「1本目、何をやりますか?」と聞いていいものなのですか。
きん 聞きました。「1本目にやる方を教えて」って。
原田 「気ぃ遣わんで、やりたい方やればいいから」って。そうしたら、その後、まったく連絡が途絶えて。本番が迫っていたので、こっちから催促したら、ようやく『証拠』の方をやると教えてくれたんです。僕らが優勝したとき、2位のコットンがめっちゃ拍手してくれていて、彼らの好感度がえらい上がったみたいなんですけど、ここは声を大にして言いたい。俺らは、あいつらにはめられかけたって。
きん いや、危なかった。
原田 危なかったです。ああ見えて、あいつら悪どいですから。
取材・文/中村計 撮影/村上庄吾
ビスブラが振り返るキングキングオブコント優勝の核心「ネタのテンポを上げたら笑いになった。スピードはキモさを中和させるんです」に続く