企業価値を高めるために注力する「コト事業」
また、生活者の消費志向が「モノ」から「コト」へとシフトしているなか、GOLDWINとしても企業価値を高めるべく、コト事業にも注力していくそうだ。
「多角化経営を目指すわけではありませんが、今の時代は単にモノを売っているだけでは支持されません。このブランドはどんな理念や考えを持ってものづくりをしているのか、ブランドとして社会課題をどのように解決していくのか。といった企業の姿勢が問われていると感じています。
当社では 「PLAY EARTH」(地球と遊ぶ)というコンセプトを掲げ、国立公園のツアーや自然観察、環境保全イベントの開催など、自然との関わり合いを深めるコト体験をこれまでも提供してきました。恵比寿ガーデンプレイスの店舗では、『PLAY EARTH ADVENTURE』という新たなコンシェルジュサービスを設け、さらにコト体験の充実を図っていければと思っています」
森氏は今後の展望について、「弊社のブランドをより強化し、新たなマーケティングや提案を通して、事業成長につなげていきたい」とし、次のように抱負を語った。
「ノースフェイスで言えば、ユーザーの裾野が広まり、認知度が高まっているとはいえ、まだまだリーチできていないお客様も多いと感じています。キャンプギアも拡張しつつ、ノースフェイスとしてやる理由が明確にできるものであれば、新しい提案を積極的に取り入れながら、ブランドの成長に寄与していきたいです」
取材・文/古田島大介 写真提供/ゴールドウイン