ノースフェイス以外のブランドも出店。相乗効果を狙う

他店舗との違いや商品ラインナップで意識している点については「キャンプビギナーからコアなキャンパーまで、幅広い客層のニーズに応えられるようなキャンプギアやアクセサリーなどを取り揃えている」と森氏は説明する。

「ノースフェイスのテントやタープ、椅子などのキャンプギアはもちろん、焚き火台やランタン、食器、ソーラーバッテリーなど他ブランドの仕入れ商品も展開することで、『人々の冒険を後押しする』というノースフェイス提唱のキャンプスタイルをお客様に体験いただけるよう意識しています。そして空間演出にもこだわっており、アメリカのキャンプ場を彷彿とさせるキャンプトレーラーを配し、リアルなキャンプシーンを想像できるような空間づくりを行うことで、ブランドの世界観を感じていただけるように工夫を凝らしています」

過去最高売上982憶円のザ・ノース・フェイス。恵比寿に展開する関東最大・総面積300坪の体験型店舗の展望とは_4
広大な売り場面積が実際のキャンプの開放感を具現化している

さらには、商品購入前にスタッフのレクチャーのもと、テント・タープの設営体験や有料レンタルすることも可能となっており、キャンプエントリー層に向けた手堅いサービスを充実させている。

こうした取り組みはGOLDWINが目指す“体験型ビジネス”を踏襲しており、キャンプの楽しさを「言葉」ではなく「感覚」で理解してもらう上で、非常に重要なことだ。

だからこそ、ノースフェイスの業容拡大に特化せず、キッズ商品を横断的に扱う新業態「PLAY EARTH KIDS」や心身のコンディションを整えるアクティブウェア等を扱う「NEUTRALWORKS.」を同時にオープンさせ、3つのブランドが相乗効果を発揮するシームレスな空間を創造したのだろう。

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購買層の違う別ブランドも展開している

「ノースフェイスだけだと、訴求できるお客様が限定されてしまうため、展開するブランドの選択肢を増やすことで、多種多様なお客様にお店へ来ていただけるように留意しました。ザ・ノース・フェイス キャンプは男性のお客様が多く、PLAY EARTH KIDSはファミリー/子供向け、そしてNEUTRALWORKS.は女性のファンが多く、それぞれ趣向の異なる商品を販売していくことにより、ライフスタイルの多様化に対応していきたいと考えています」