キャンプ特化の大型店舗を恵比寿に出した理由

ゴールドウインが11月に恵比寿にオープンした体験型店舗3店は、関東最大規模となる300坪の売り場面積を有しており、中でも快進撃を続けるノースフェイスの新業態「THE NORTH FACE CAMP」は、取り扱うキャンプギアの数も展開している店舗の中で最大級の品揃えを誇っている。

過去最高売上982憶円のザ・ノース・フェイス。恵比寿に展開する関東最大・総面積300坪の体験型店舗の展望とは_2
ノースフェイスの商品に加えて、外部仕入れのキャンプ用品も充実している

同店舗を出店させた狙いには「ノースフェイスが提案するキャンプの世界観や、実際にテントを張る体験を通じて販売訴求することで、キャンプ領域の拡大を図るため」と森氏は語る。

「ノースフェイスにおけるキャンプギアは、今でこそブームも相まって注目されるようになりましたが、従前はそこまでたくさん売れるものではありませんでした。キャンプギアの中でも主力商品の一角を担う球体型ドームテント『ジオドーム4』は、日本企画の商品として2018年から発売したのです。球体というデザイン性のみならず、風に強い構造や耐久性の高さ、持ち運びしやすい設計などの高い機能性が特徴的でした。コロナ禍でキャンプ需要が高まり、ノースフェイスのキャンプ用品全体へのニーズが高まったのだと思います」

過去最高売上982憶円のザ・ノース・フェイス。恵比寿に展開する関東最大・総面積300坪の体験型店舗の展望とは_3
『ジオドーム4』は居住空間としての快適性も考慮して設計されている

「こうした主力商品のテントに加え、キャンプライフを送る上で最適な寝袋や椅子などのアウトドアファニチャーの拡張性を意識したキャンプ特化型の店舗を構えることで、ノースフェイスの提案するキャンプの楽しさや魅力を伝えていきたい。そのような思いから、THE NORTH FACE CAMPの出店に至りました」(森氏)

恵比寿ガーデンプレイス周辺には、レジデンス型のマンションや住宅が立ち並び、ファミリー層が多く住まうエリアだ。

また、ノースフェイスの路面店が点在する原宿・渋谷エリアにも隣接し、近距離商圏を意識した店舗を展開し、ファミリーユースやキャンプラバーを取り込む出店戦略と言えるだろう。