中国に大きく遅れた日本のドローン技術
無人機開発でも日本は中国に大きく立ち遅れている。中国のドローン生産量は空撮用ドローンで有名なDJIなど、世界シェアの7割を占める。2006~2016年までのドローン特許出願件数も世界トップ20位中、米中勢が8割を占める。
こうした圧倒的なシェアを背景に、中国の軍用無人機の保有数は世界トップレベルとなり、さらには多種多様の無人機を同時に200機以上操る「スウォーム」(集団飛行)戦略や無人機のステルス化を目指すなど、その軍事転用技術のレベルも米国に肩を並べつつある。
一方の日本は2006~2016年のドローン特許出願件数はゼロで、日本独自の無人機開発(特に軍事部門)は中国に10年遅れているとされる。
ウクライナ戦線ではウクライナもロシアも無人機の運用は常識化している。台湾有事の際、尖閣上空にレーダーに映りづらい武装した攻撃型無人機の大群が中国から襲来するという事態は、決して絵空事ではなく、今、そこにある危機なのだ。
その時、日本がどう対応するのかが問われている。
取材・文/世良光弘 写真/防衛省・統合幕僚監部提供