生徒にとってノートと鉛筆、それ以上

筆者は現在大学で教鞭を執っており、出張授業などで中学校や高等学校を訪問する機会も多い。その際、訪問先で目にする変化の様子で驚かされるのは、ノートと鉛筆が、iPadとApple Pencilに置き換えられていることだ。

生徒たちはiPadで授業ノートを取り、それをしばしば友人たちと共有している。また調べ学習ではアプリを切り替えながら情報をiPadにまとめていき、グループで収集した情報を共同編集できるスライドにまとめ上げていく。手書きも交えて活き活きと表現されるそのスライドは、ビジネスの現場のそれよりも、見ていてワクワクさせられる。

ボブ・ボーチャーズ氏によると、iPadを使ったノートテイキングは、世界的に広がっているそうだ。

「iPadでApple Pencilが使えるようになってから、世界中の学生が、ノートをiPadで取るようになりました。さらに、イラストにしたり、図や写真に書き込んだり、場合によってはアートを作り出したり。自分の表現を手助けするために、iPadとApple Pencilで自然に創造性を発揮し始めたのです」(ボーチャーズ氏)

「iPadはコンピュータとして設計していない」––––Apple役員が語る「iPadと教育の未来」_2
Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当副社長ボブ・ボーチャーズ氏