毎日800人もの警官を動員
「ただ、その通勤の警護に警察は毎日、朝夕の2回、8個中隊、女性機動隊1個小隊など、じつに800人もの警官を動員しているんです。その負担は大きく、龍山区警察署は金融犯罪チームを解体して交通整理する警官を増員したほど。
そこに今回の惨事が起きたので『尹大統領が通勤で警備陣を酷使しなければ、警察もハロウィン当日にもう少し手厚い警備を行うことができていたはずだ』と、大統領府移転への批判が再燃しているのです」(前同)
10月30日、多数の圧死者を出した梨泰院の坂道には緑色の防災服を着込み、被害者支援や雑踏事故予防システムの再構築などの善後策を指示する尹大統領の姿があった。
「野党は圧死事故を人災視し、政府の責任を追及する構えを見せています。尹大統領としてはハロウィン圧死事故が政局化することだけは避けたい。そのため、事故翌日にさっそく現場を訪れ、迅速対応をアピールしたのでしょう」(前同)
5週連続20%台と、支持率低迷が続く尹錫悦大統領に、追い打ちをかける今回の圧死事故。大統領府移転のツケは、高くつくことになるかもしれない。
文/集英社オンライン編集部 写真/AFLO