セックスに対する男女の価値観の違い
最近は、「草食男子」という言葉が生まれるほど、男性が性的な活動に消極的になっている傾向があるといいますが、僕は性的欲求の低下というよりは、自分が傷つくことを過度に恐れているために行動に移すことができないのではないかと感じています。
同時に、セックスに至るための恋愛過程を省いてしまいがちな男性が多いこともまた、性愛の成就に至らない原因になっているとも考えています。それがどういうことか、よく分かる調査をご紹介しましょう。
一般社団法人日本家族計画協会が2020年に行った、日本人のセックスの実態を調べたアンケート調査「ジャパン・セックスサーベイ2020」によると、20~60代男性の約8割が「セックスをしたい」と回答しています。
ところが、同調査では「1年以上セックスをしていない」男性は全体の41.1%にも上りました。つまり、「したいけどできない」男性が、全体の半数以上存在しているのです。年代が上がるほどこの傾向は高くなり、年数回程度と答えた人を合わせると、30代は51.0%と約半数、40代になると57.8%、50代で69.3%と、それぞれ6割、7割を占めています。
次に、「1年以上セックスをしていない」と答えた男性に、性交渉のない期間を尋ねたところ「平均8.7年」という回答でした。男盛りの時期にじつに約9年間も「したいのにできない」時期を過ごしているのです。
さらに「あなたがセックスをする目的は何ですか」という質問に対して、約7割の男性が「性的な快楽のため」と答えたのに対し、女性の約6割は「愛情を表現するため」と答えました。
この回答からは、セックスに対する男女の価値観の違いが明らかです。これではなかなかセックスに至らない現状も無理はありません。