カーチェイスの末にパリの高速道路で事故死
36歳という若さで、突然この世を去ったダイアナ。彼女を追うパパラッチとのカーチェイスの末に、パリの高速道路での事故死だった。全世界から常に注目を浴びた悲劇のプリンセスの生の映像を観ていて思うのは、王室という閉ざされた世界の内側で起きた、ドロドロとしたスキャンダラスな背景と、ダイアナ本人のファッショナブルで絵になる外見の映像が、人々の俗な興味の餌食になったということだ。
作りもののドラマの上を行く、この王室のリアリティドラマは、登場人物がまた濃いキャラクター揃いだった。頂点に君臨したエリザベス女王。ダイアナとは政略結婚だったと認めた夫のチャールズ皇太子。そのチャールズと不貞の関係を続けていたカミラ夫人。ダイアナがすべての愛を注いだ2人の王子。ダイアナと共に自動車事故で亡くなった大富豪のドディ・アルファイド。
次から次とスキャンダルのネタが尽きることはなく、ダイアナは常にパパラッチに追われていた。だが作中、大きな望遠レンズをつけたカメラを持つパパラッチたちが「ダイアナは撮って欲しいときには協力的だが、次の日には顔を隠してしまうんだ。まるでゲームのようにね」と語ったように、ある場面では、ダイアナも報道される自分の映像を解って利用したこともあっただろう。