「この身長でもプロレスができるんだ」

「障害者を笑うな!」で衰退。現役こびとレスラーが問う、なんとなくの善意_2

ーーこびとプロレスは規模縮小傾向にあったものの、太田さんはデビューを決められるわけですよね。どんなきっかけがあったのですか?

僕はもともとプロレスファンでした。プロレスラーになりたいと思っていたけれど、身長の関係でなれないだろうと。それが中3のとき、たまたま地元に全日本女子プロレスさんが来て、その中でやっていた「こびとプロレス」を見たんです。

そのときに「この身長でも、プロレスできるんだ」と思って。そうしたら当時のレフェリーさんが名刺をくれて「もしやりたかったら、来てちょうだい」って。

ーーこびとプロレスがやりたいというより、プロレスが好きだった。

はい、純粋に好きでした。だから衝撃でしたよ。こういう人たちでもプロレスができるんだ、と。当時はこびとレスラーが、日本でもう3人しかいなくて。全日本女子プロレスは地方に行く度に、小人症の人を見たらすぐ声を掛けていたらしいです。

ーーその後、すぐになられたんですか。

いや、なったのは26歳です。親の反対があったので、10年近くかかりましたね。

ーー親御さんはなぜ反対したんですか。

プロレスに対して野蛮、危険というイメージがあったとも思いますが、やっぱり危ないから。普通の人の体型とは違うので、危険の度合いは一般のレスラーより増している。足とかも下半身付随とかになりやすいらしいです。

ーー怖くなかったですか?

怖いですよ。いまだに。リングに上がるたびに、怪我したらどうしようとか。

「障害者を笑うな!」で衰退。現役こびとレスラーが問う、なんとなくの善意_3

ーーそれでもやるというのは、どんな気持ちで?

純粋に好きだからです。やっぱり。「やり始めた以上は、やれなくなるまでやったろう」って思ってやってます、今、この業界にいるのは、なによりプロレスが好きだからです。