日本の古美術店でも、意外と簡単にエジプトの遺物は手に入る

古代エジプトの美術品や遺物は、「意外にも、日本の古美術店に普通に売っているんですよ。私も当初は、“え、こんなのものが売っているんだ”と驚きました」と菊川氏は言う。

「今もそうですが、売っていることを知る人も、実際に買う人も日本だと多くはないんです。とくに僕が興味を持ち始めたころはバブル崩壊後で、売り物はあるけれど買い手があまりいなかった時代。だから、“エジプトのものが買いたい”と言うと意外とすぐ手に入って、気づけば多くの美術品が手元に集まっていました」

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もちろん、地理的にエジプトに近いヨーロッパやアメリカのほうが流通する数は多いが、日本にも昔から状態のよいものや貴重なものが入ってきていたそうだ。

「日本では学者の方が自分の研究のために手に入れたもの、昔の画家などが自分の芸術のこやしのために買われたものがよく残っています。また、日本の美術館は、いい焼き物やガラスが豊富だと思います」

『古代エジプト美術館』にも価値が高く、状態のよい焼き物やガラス製品が多く展示されている。特筆すべきは、それらが手で触れられそうなほど超至近距離で見られること。世界中を探しても、これほど美術品に近づける美術館はそうそう見つからないだろう。

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「玄室 ギャラリー」の入口にある宝箱に懐中電灯を当てると美しいガラスや石の装飾品が!