”荒ぶる表現者”の真骨頂

樋口は今年3月の世界選手権にも出場。意気軒昂に臨んだが、総合11位とやや不本意な結果に終わった。

大会後、右足すねを疲労骨折していたことが明らかになった。五輪後の隔離1日目、すでに痛みは感じていた。五輪を見据えた1年、すべてを振り絞った戦いの代償でもあったか。しかし気力だけで体を動かせるのが、”荒ぶる表現者”の真骨頂でもあった。

そんな時でも、樋口は前を向いていた。

「まずは足を治して、ですが…。現役の間に、4回転も跳べたらいいなと思いますし、アクセルも跳べたことに満足せず、他のジャンプも精度をもっと上げて。練習では追い込まないといけないときもありますね。でも、明るい気持ちで前向きにずっと頑張れたらな、と」

そして2022-23シーズンに向け、アイスショー「ドリーム・オン・アイス」では新プログラムを披露。『Never Tear Us Appart』で、一本に束ねた髪を揺らして滑った。脚の治療、リハビリを終えたばかりで筋力も低下し、本領発揮はこれからだが、精力的な表情をしていた。

「今日滑ったのは強い女性を歌った曲なので、それを表現できたらいいなと思っています。ステップやジャンプのつなぎの部分はたくさん入っているので、そこを注目して見てもらえたらなって!」

彼女の活力に満ちた表現は底なしだ。

写真/AFLO

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