白星を伸ばせば大関昇進の可能性も・・・!
横綱・照ノ富士が膝に古傷を抱えていることもあり、混戦状態になりがちな最近の幕内勢力図。今場所は、1995年(平成7年)九州場所の若乃花―貴乃花の花田兄弟以来史上二度目の千秋楽兄弟優勝決定戦が実現する可能性もあるのではと、否応なしに期待が高まる。
その前に、まずは先場所を振り返ってみよう。若隆景、若元春とも9勝6敗。勝ち越しは果たしたが、二桁白星には届かなかった。特に大関を目指す若隆景は二桁白星が欲しかったところである。
――先場所の自己評価を教えてください。
若元春 先場所も胸を借りるつもりで臨んだんですけど、全体を通して前へ出るいい相撲取れたんで、勝ち越せたし、結構良かったのではと思います。
若隆景 序盤は思うように星が上がらなくて苦しい場所でしたが、なんとか後半持ち直して9番勝てたのは、満足できる結果ではないですけど、来場所へ向けての課題が見つかったので、収穫のある場所だったかなと。
――中盤以降の大関戦3連勝あたりからは本来の動きが戻ってきたように見えました。
若隆景 感覚が戻ったというより、乗ってきたっていうか、そういう感じですね。
――いよいよ名古屋場所ですが、目標はどこに置いていますか? 若元春関は番付が東前頭四枚目に上がったので、初めて横綱、大関との対戦があります。
若元春 僕は幕内に上がって二桁(白星)には一回も届いていないので、そこが大きな目標になってきます。来場所は上位の横綱大関戦というのもあるので、なかなか厳しくなってくるとは思うんですけど、胸を借りるつもりで来場所も思い切っていきたいです。
――上位戦のイメージは?
若元春 雲の上の人というか、横綱とか大関とかと本場所の土俵で戦うというのは、ありえないことだと思っていたので、実際自分がそういう立場に上がってきても、まだ信じられないですね。
――若隆景関は大関とりがかかります。目安は直近三場所の白星合計33勝。初優勝を果たした先々場所が12勝、先場所が9勝ですから、名古屋場所で優勝争いの末に12勝を挙げれば、昇進の可能性が出てきます。
若隆景 とにかく一番一番自分の相撲を取ろうと、そういうことを心掛けてやろうと思いますね。