40歳を過ぎたサラリーマンは「監禁」状態にある
プログラミングの知識がほとんどないにもかかわらず、多数のプログラマーを束ねる大きなプロジェクトを任されたら、うつ病になっても不思議はありません。こころを病めば仕事から外れることができ、〝ウソ〞がばれずにすむのですから。
家族の死という大きな不幸でも、それが1回かぎりのものであればひとは耐えることができます。これがこころのレジリエンス(回復力)ですが、この素晴らしい能力は、いつ終わるかわかない苦痛に対しては無力なことがさまざまな心理実験から明らかになっています。
子どもは3年間(小学校なら6年間)のいじめを永遠のものに感じてときに自殺してしまいますが、サラリーマンの会社人生は40年以上あり、日本の労働市場は流動性がないため40歳を過ぎると転職はきわめて困難で、最後の20年間は会社に「監禁」されるような状況になってしまいます。
こんな環境でこころを病むことなく、日々楽しく仕事ができるのはごく一部の幸運なひとだけでしょう。