「夢が続いた」続編でハードなアクション練習
中国の春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になる夢を抱く戦災孤児と、中華統一を目指す若き王の活躍を描く原泰久による人気漫画を実写化し、2019年日本映画最大のヒットを記録した映画『キングダム』。その待望の続編『キングダム2 遙かなる大地へ』が7月15日(金)に公開となる。
日本映画の常識を打ち破るスケールで数々の記録を打ち立てた前作に引き続き、主人公の信を演じた山﨑賢人さん。信の夢への第一歩でもある初陣が描かれる本作への熱き思いを語ってくれた。
――パート1の大ヒットを受けての続編。第一報を聞いた感想は?
パート1では「天下の大将軍になる」と言って戦ってきたのに、玉座を奪還したところで撮影が終わってしまい、「あれ? まだまだこれからだよね?」という気持ちが強かったんです。だから続編が決まったと聞いて「夢が続いた」と本当に嬉しくて、すぐにやる気満々でアクション練習を始めました(笑)。
――アクションもパート1からさらに進化しています。
パート1は1対1の戦いが多かったのですが、今回は戦場に出てひとり対多勢だったり、騎馬による戦いも多かったので練習の内容もだいぶ変わりました。乗馬はトータルで4ヶ月ぐらい練習しましたね。
1回の練習を一鞍(くら)というんですけど、その40分〜1時間の練習を撮影前・撮影中合わせて100鞍以上はしたと思います。乗るだけの練習から始まって、いくつかの段階を経てある程度乗れるようになってきたら、刀を持って乗る、次に刀を振ってみる……といった具体的な練習に進みました。
撮影では結構アクロバティックな動きもあって、それも現場で「お、こんなにやるんだ?」と知ることも多かったのですが、信の気持ちになっているとなんでもできる気がして、不思議と落ちそうになっても落ちないんです(笑)。信だと足も普段より速くなるような気がして、エネルギーに満ち溢れている感覚がありました。
――もともとアクションにすぐ対応できるタイプなんですか?
運動神経は悪くないほうだと思いますが、アクション監督の下村(勇二)さんからは「体の動きにクセがある」と指摘されました。幸運にも僕の場合、体の硬さや動きのクセが信のキャラクターに合っていたようで、クセをあえて活かすアクションを考えてくださいました。下村監督は僕のクセを熟知しているので、本番でわざと練習と違う動きをするよう敵役のスタントマンに指示を出すんです。そのぶんリアルな反応になるので面白いのですが、一瞬も気が抜けないから大変でした。
前作で左慈(さじ)を演じられた坂口拓さんからも、アクションの極意をたくさん教わりました。立ち回りのときに次に来る敵のほうを見てしまうと段取りっぽくなってしまうので、あえて前方のやや下あたりに目線を向けておくといい……だとか。そういう意味で、パート1で倒した左慈の魂が、ちゃんとパート2に引き継がれているんです。