都市伝説を解説! 体温アップ、筋トレは免疫力アップに繋がるのか?
都市伝説1 体温を上げると免疫力が上がる?
→× 体温は外的アプローチでは上がらないし、免疫力とは関係ない
体温を上げることと風邪の引きにくさに関係があるという論文は出ていません。なので、免疫力をアップするために、熱いお風呂に入るなど無理やり体温を上げる必要はありません。
お風呂に入ったり、生姜湯を飲んだりして一瞬、体温が上がったとしてもその状態をキープすることはできないのです。
また、さまざまなサイトの情報で体温が1度上がると免疫力が●%上がるというのを目にしたことがありますが、前述したとおり免疫力は数値で測ることはできませんし、医学的にはあり得ない表現なので惑わされないようにしてください。
都市伝説2 筋トレをすると免疫力が上がる
→△ 適度な運動は風邪を引きづらい体作りに効果的
筋トレに限らず適度な運動であれば、免疫機能を向上させるというデータがあります。風邪のウイルスは口から入ることが多いのですが、口の中の粘膜にはウイルスが入ってきた時に身を守る免疫グロブリンというガードマンのような存在がいます。
この口の中の粘膜にいる免疫グロブリンをSIgAと呼んでいて、筋トレなどの運動をするとSIgAが高まると言われています。
適度な運動は風邪を引きづらい体作りに効果的です。
しかし、筋トレを何時間も行ったり、体をずっと動かし続けていたりすると逆に体の免疫機能が落ちてしまう可能性があります。
ある実験で、激しい自転車運動を1時間してもらうと唾液中のSIgAが30%ほど低下し、完全に回復するまで1日もかかったというデータがあります。
この実験でも分かるように、あまりに激しすぎる運動は免疫機能を落としてしまう可能性すらあります。あくまでもやりすぎに注意して、適度な運動を心掛けましょう。