そこで頭に思い浮かんだのが、またもや古くからの友人のことだった。
昔から手先が器用で造形センスがある友達・Kは、コスプレイヤーのための特殊な小道具や特殊マスクを手づくりでコツコツ作っているという、かなり特殊な男だ。
かつて一時期、家具職人に弟子入りしていたこともあり、やつが現在一人暮らししている家は、ただ同然で入手したものを巧みにリメイクした家具などがたくさん置いてある。
Kに全面的に頼ろう。
バカな頭で考えた、これはいいアイデアだ。
さっそくKに「どーだい? 乗らないか?」と連絡を取ると、おもしろがって二つ返事で引き受けてくれた。
まったく、持つべきものはいかれた友に限る。
DIYが得意な友達の助けによって、念願の板張り天井完成!
某県某所にあるKのアジトを訪ねたのは、5月某日の午前中早い時間だった。
だが、そこからダラダラとどうでもいい話をしたり、タバコを吸ったり、近くにある海を見にいったり、ハンバーガーを食べにいったりしていたら、作業開始は夕方5時近くになっていた。
まあ、そんなもんだよね。
そこから猛然と働きはじめたKに、僕は「がんばれがんばれー」と声援を送りつつ、アイスを食べたり、足りない材料をホームセンターまで使いっぱしたり、鼻をほじったりしていたら、望んでいた板張り天井がみるみるうちにできあがっていった。
これから自力で車のカスタムをしたいと思っている人がいるかもしれないので、具体的なアドバイスをしよう。
“DIYが得意な友人を探せ!”これに尽きる。
器用なKでもときどき頭を抱えるくらい、天井を作るのはやっぱり難しい仕事だった。
ずっと上を向いてやらなければならないから、通常の作業よりずっと大変なのだろう。
知らんけど。
あと、作業はなるべく早い時間にはじめた方がいい。
Kは、日が落ちてだんだん暗くなる中、頭にヘッドライトをつけて作業していたからな。
すまん、K。
この礼はいずれ改めて。