ロシア兵に「守ってくれてありがとう」と手紙を書いた占領地の子ども

そうした教師たちは、いま起きている戦争も、北大西洋条約機構(NATO)がロシアに仕掛けたものだと説明する。ロシア兵が君たちの町を「解放」してくれたのだから、その恩を返すためにロシア軍に入ってウクライナと戦え、とまで言われるのだ。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが今年7月に公表した調査でも、占領地を離れた子どもたちが、教師から「ウクライナはナチスに支配されている」と聞かされたと証言している。小学1年生のとき、ロシア兵に「守ってくれてありがとう」と手紙を書いたという子もいた。

写真はイメージです
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学年が上がると、銃を扱う訓練まで始まる。占領下のルハンスク州で学校に通った女性は、最終学年になると、同級生の男子が週に何度も校内で射撃や銃の手入れを習っていたと同団体に話した。クレバ氏は言う。

「最初はウクライナの子をロシア人にしようとしていた。いまは、ロシアの兵士に育てようとしているのです」

学校は徴兵の手続きにもかかわる。ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査に答えたSave Ukraineの職員によると、16歳以上の少年たちが学校からバスに乗せられ、徴兵事務所に連れていかれた。

18歳になったときに徴兵できるよう、あらかじめ登録するためだ。先の女性のクラスでは、男子のほとんどが18歳になると徴兵された。

大人になるとロシア兵として祖国と戦うよう求められる

ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領
ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領

クレバ氏によれば、Save Ukraineが最近救い出した若者には、16歳から20歳ぐらいの男性が多い。ロシア軍から呼び出しを受けた若者たちだ。

「いま私たちがやっているのは、彼らをロシア軍の兵役から救い出すことなんです」

占領地で育った少年が、ロシアの学校で忠誠を教え込まれ、大人になるとロシア兵として祖国と戦うよう求められる。生まれ育った土地が占領されたというだけで、そんな人生を強いられる。

Save Ukraineの公式サイトによると、ロシアや占領地域から救い出した子どもは1887人に上る。この秋も、1週間に20人、30人という規模の救出が続く。

帰還後には、必要な書類をそろえ、住まいを探し、心のケアを受けるのを手伝う。これまでに5000以上の家族が住まいや心の傷を癒すための支援を受けた。