「純粋に楽しみたい気持ちまで制限されている」
アキトさんのように、学園祭に関心を示さない学生は、決して珍しい存在ではない。
関西大学が実施した2023年度の学生生活実態調査では、統一学園祭に参加したことがない学生の32.0%が、不参加の理由として「関心がない」と回答した。
また、法政大学の2024年度調査でも、大学祭に参加したことがなく、今後も参加するつもりがないと答えた2~4年生のうち、24.2%が「授業やアルバイト等で忙しい」ことを理由に挙げている。
都内の大学に通う4年生のカナさん(仮名)も、入学以来、一度も学祭に足を運んだことがないと話す。
「学祭がいつ開催されるかさえも気にしたことがないです。一人暮らしをしているので、生活するのに精一杯な部分もあります。もともと余裕がない分、時間もお金も自分のために使いたいので、休みの日にわざわざ大学に行くくらいならバイトに入って少しでもお金を稼ぎたいです」
実際に今年の学園祭に参加した2年生のユイさん(仮名)も、別の意味で「魅力がない」と話す。ユイさんが訪れた学園祭では、写っている人を特定できる写真や動画を、本人の許可なく撮ったりSNSに載せたりすることを禁じていた。しかしこうしたルールは、取材で初めて知ったという。
「友達が通う大学の学祭に行きましたが、無断撮影の制限やSNS投稿について注意や呼びかけがあった覚えは全然ないです。普通にSNSにあげてる子もいましたし、ほとんど認知されてなかったと思います。投稿をチェックする人がいたら怖いですね……。
学祭の楽しみなんて、友達と写真を撮るくらいじゃないですか。変な人がいるのも分かりますけど、学生が主役のはずなのに、純粋に楽しみたい気持ちまで制限されている気がします」
ユイさんに来年も学園祭に参加したいか尋ねたところ、「誘われたら行くと思いますけど……」と、言葉を濁した。
一部の大学では運動部が主体となり、盛り上がる学園祭もある。高田馬場駅などでは“打ち上げ”が行なわれ、泥酔して我が物顔で歩く学生もいまだに見かける。だが、取材に答えた大学生の多くが「そんな人はごく一部です」と声をそろえた。
酒を飲み、羽目を外し、青春を謳歌する。そんなかつての学園祭のイメージは、もはや過去のものなのかもしれない。令和の大学生たちから聞こえてきたのは、学園祭に対する意外なほど冷めた本音だった。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













