同居していた母を亡くし、話しかけられることのない生活
午後からの証人尋問では、石岡被告の精神鑑定を行った医師が証言台に立った。司法担当記者が解説する。
「医師は、石岡被告が事件当時、急性ストレス反応を起こしており、犯行は計画的ではなく衝動的なものだったとの見方を示しました。石岡被告は、聞いたことを一時的に記憶する能力は優れているものの、相手の話を理解して会話したり、つらい感情をコントロールしたりすることは苦手だったといいます。
また、ADHDやアルコール依存症などがあるとしながらも、それらが犯行に直接影響したとは考えていないと証言。ただし、それらの要因から発する孤立やコミュニケーション不足が、二次的に急性ストレス反応につながった可能性はあると説明しました」
事件前、石岡被告は母と同居していたが、母と会話することがストレス解消になっていたようだ。しかし、その母が亡くなり1人の生活になってからむなしさや寂しさを感じていたという。
「医師の説明によると、石岡被告は職場でも周囲との意思疎通がうまくいかず、ミスをしても十分なフォローを得られなかったと感じていたようです。Aさんからの注意を我慢できずにいるなか、仕事の愚痴を言える相手もいなかったそうです。細かなミスを重ねるうちに職場に居づらくなり、同僚に言いたいことも言えない状態だったと説明していました」(同)
医師は、石岡被告がAさんから敵視されていると感じ、ストレスを怒りに転化していったとの見方を示した。鑑定時の面会では、「2025年の春頃から店に入っても、1日やるぞという気持ちを持てなくなった」「コップの水をいっぱいに溜めて溢れる寸前、表面張力のギリギリのところで(ストレスや怒りを)減らせていたが、減らせなくなった」などと話していたことも明かされた。













