AIによる生産効率性の向上、目標は20〜30倍
友人などの招待状によってユーザーを拡大させるソーシャルメディア、家族で子どもの写真や動画を共有するアプリ「家族アルバム みてね」、友達と一緒に集まって遊ぶスマホゲーム。MIXI社が展開するアプリケーションは非常に多様だ。
「我々が目指す目的地は今も昔も、いわばコミュニケーションのテーマパークなんです。
そこにはSNSや競輪・オートレース投票サービスの『TIPSTAR』、『モンスト』のようなゲームなど、幅広いアトラクションがありますが、どれも友達・家族と一緒に楽しめるものなんです。
逆に言うと、MIXIとしてやらないことも明確に決まっていて、例えば完全な一人遊び用のゲームとかはつくらないんです」
目指すゴールは変えない一方、そこへ到達するための牽引役は、その時々で変えてきた。現在はAIを使いながら各事業をバランスよく成長させていくことを重要なミッションに位置付けている。
「いま加速させているのがAIによるワークフローの転換です。生産効率性で言うと20〜30倍ぐらいを目指しています。
わかりやすく言うと、従来、アプリケーション開発に何十人というチームを組成していたところを1桁、片手で足りるくらいの人数にまで絞りたい。いまいくつかのプロジェクトでトライアル的に進めています。
近い将来、そうした体制で開発したプロダクトも世に出せると思いますし、まだ詳細を発表できる段階ではないんですが、強化学習で開発したAIを組み込んだ、新たなサービスの研究開発にもかなり注力しています」
MIXI社は生成AIが普及する以前からAIの研究開発をスタート。会話AIロボット「Romi(ロミィ)」のプロジェクトは2017年から開始し、2020年には初代モデルの販売を開始した。
現在は、生成AIをクリエイターの表現や制作プロセスを支援する重要な技術と位置づけ、クリエイティブ制作業務における活用を進めている。昨今の“AIの実力”を木村氏はどう分析・評価しているのか気になるところだ。
「AIはやりたいことを何倍にも増幅する“ブースト装置”みたいなものなのかなと。人間は五感などのいろんな感覚と内発的に生まれてくる感情から、さまざまな意思決定をしていますが、AIは“マルチモーダル”と言っても、まだまだ取り扱えるデータは限られていて、意思決定や価値観を持つことはできない」










