中国政府と関係するハッカー集団が世界の数百の組織を標的に攻撃
「3時間足らずで組織のクラウド環境に対する高度なアクセス権限を獲得した例もある」
米マイクロソフトは10月21日、中国政府と関係するハッカー集団が、AIを活用して世界の数百の組織を標的に攻撃していたとする分析結果を公表した。防衛や金融、製造業、政府機関など幅広い業種が狙われ、一部でシステムへの侵入に成功したという。
使われたのは中国で開発された「ARTEX(アルテックス)」。対象システムの調査から脆弱性の探索、侵入の試みまで自律的に実行する「AIエージェント」型のツールだ。
本来はシステムの安全性を点検するために開発されたが、悪用すれば大量の標的への攻撃を自動化できる。韓国でも9月末以降、銀行などへの不正アクセスが続発。米セキュリティー企業クラウドストライクは、中国を拠点とする人物が同ツールを使って金融機関を攻撃した可能性が高いと分析した。
もっとも、韓国で露呈したのは新しい脅威ばかりではなかった。同国金融委員会によると、10月中旬までに金融機関など計16社への侵入が確認され、約10万件の個人情報が流出したとみられる。これを受け、金融機関555社を対象に緊急点検したところ、約4分の1に当たる130社でセキュリティー上の不備が見つかった。
その多くは、修正プログラムの未適用や古いシステムの管理不備、24時間の監視体制の未整備といった、以前から必要性が指摘されていた対策だった。重要なシステムに多要素認証を導入していない例もあった。
韓国では昨年も大手通信会社やクレジットカード会社で情報流出が相次ぎ、当局が対策の徹底を求めていた。それでも基本的な不備が多数見つかり、金融委員会は経営トップの責任強化を含む制度の見直しに乗り出した。













