アメリカでも「学校行事でわざとタトゥーを見せびらかしているような親は見たことがない」
タトゥーをめぐる保護者同士の受け止め方は、暮らす地域や周囲の環境によっても違うようだ。
沖縄に住むBさん(30代)はワンポイントを中心に全身に20か所以上のタトゥーを入れているが、Bさんの周囲ではタトゥーのある保護者は珍しくないと話す。
「手も足も首も、顔にまで入っている人もいます。隠しようがないくらい全身に入っている人たちが普通に子どもの送り迎えに来たり、運動会に参加したりしています。だから、運動会でタトゥーを隠すかどうかという議論自体、聞いたことがありません。
沖縄は昔から、『ハジチ』(※)というタトゥーの文化がありますし、タトゥーショップも多いです。私の住む周囲では、お父さんもお母さんも、がっつり入れている人も珍しくありません。私は服を着たら隠れるので、タトゥーが入っていないように見られることもあります」
※編集部注 ハジチ(針突)は、かつて沖縄や奄美地方で女性が手の甲などに施していた伝統的な入れ墨の風習。成人や婚姻などの儀礼的な意味を持っていたが、明治時代の禁止令以降、衰退した。現代のファッションとしてのタトゥーとは、歴史的な背景が異なります。
Bさん自身も、学校行事で意識して隠すことはないそうだ。
「これまで学校の先生から(行事で)『タトゥーを隠してください』『配慮してください』といった案内を受けたことは一度もないですし、周りの保護者からも何か言われたこともないです」
一方、県外では事情は異なるという。
「県外の友人たちは運動会に限らず外に出る時は隠している印象です。内地の温泉に行ったときは、施設から出るように言われたこともあります」
では、海外ではどうなのか。高知や大阪、沖縄を経て現在はアメリカに住むCさん(30代)の場合、全身に14か所のタトゥーを入れているが、服を着れば隠れる場所だという。
「運動会や参観日で特別に隠していたというより、わざわざタトゥーが見えるような服は着て行かなかったという感じですね」
現在、比較的治安のいい地域に住むCさん。近隣には治安の悪い地域もあるが、「学校行事でわざとタトゥーを見せびらかしているような親は見たことがない」と話す。
「アメリカだから何でも自由というわけでもないと思うんですよ。子どもが主役の場所なら、親はそれなりに考えるものじゃないですか。
パーティーならいいと思いますよ。でも、卒園式や運動会はパーティーじゃないし、子どもが主役じゃないですか。親が目立ってどうするの?と思います。自分らしさを表現したいとか、そういうことを優先する場所ではないと思います。
自分でタトゥーを入れた以上、隠さなきゃいけない場面があることも含めて受け入れるべきだと思うし、子どもに余計な影響が出ないようにするのも親の役割だと思っています」













