決算書上は「本業の業績はV字回復」
指定管理者として札幌ドームの運営を担う株式会社札幌ドームは今年10月6日、運営状況と今後の見通しについての会見を開き、同社の阿部晃士社長は4月から9月までの2026年度上期で「札幌市への経済波及効果は概算で70億円程度」と発表。さらに同期間の札幌ドームイベント稼働率(見込み)は74%となり、2025年度の71%から3ポイントもアップすることを明かした。
札幌ドームといえばかつては日本ハムの本拠地だったが、その日本ハムが2023年にオープンしたお隣の北広島市にあるエスコンフィールドHOKKAIDOへと移転。その理由については球場使用料などさまざま囁かれているが、結果的に年間60試合前後も利用してもらっていた上客に“逃げられた”形の札幌ドームは、日本ハム移転直後の2023年度は約6億5000万円の最終赤字となるなど、経営に苦しんでいた。
ところが、今年6月の定時株主総会で阿部社長が2025年度の決算で営業利益約2億1000万円となったと報告。営業利益の黒字は3期ぶり、つまり日本ハムが札幌ドームを本拠地としていた2022年度以来だった。
「営業戦略を持って独り立ちしていくだけ。2025年度の営業黒字を継続していくことが大事」
阿部社長は6月の会見でそう話したが、ネット上では「本当に黒字か?」「どうせ税金で補填しているのでは」と見る向きも少なくない。実態はどうなのか。『【決定版】決算書を読む技術』(かんき出版)など決算書や経営分析に関する書籍を多数刊行する公認会計士の川口宏之氏に話を聞いた。
「利益の区分には、本業での儲けを表す『営業利益』、本業の儲けに預金の利息や借入金の利息などを足し引きした『経常利益』、すべての費用や税金を差し引いた最終的な儲けである『当期純利益』といったものがあります。
つまり、札幌ドームの本業である貸館事業などがうまくいっているかどうかは、営業利益を見ればおおむね把握できます。その推移を見てみると2023年度が『△672,517』(単位:千円。△は損失を表す。以下同)、2024年度が『△56,144』、そして2025年度が『211,479』となっており、本業がうまく回り始めたと評価できるかと思います」













