「アクアフィリング豊胸で重篤な状況に陥る方も」

細田さんは現在、結婚の予定はないというが、出産願望はある。

「今の時点ですぐに結婚する予定もありませんけど、子供は欲しいと思っています。授乳ができない可能性があると聞いたのはやっぱりショックです。

夫にだって『豊胸のせいで授乳ができない』と説明するのも嫌です。病気でもないのに自ら望んで体にメスを入れて50万円以上も支払ってやった手術でこんなことになるなんて思いもしなかった」

「まさかこんなことになるとは」と語る細田さん
「まさかこんなことになるとは」と語る細田さん
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細田さんは術前の2024年8月から弁護士に依頼し、アクアフィリング注入に関する損害賠償を請求できないか相談中だという。しかし担当弁護士はこの問題の困難さをこう説明する

「今回の手術において過失はなく、アクアフィリングを使ったこと自体が悪いという状態です。しかし今現在、アクアフィリングの使用は法律上で禁止もされておらず、当時は扱っているクリニックも多かったことから、アクアフィリングを使ったことを過失と捉えて損害賠償を請求することは困難なのです」

また、どこを相手に損害賠償請求をするのかという点でも課題があるという。

「クリニックを相手取るのか、アクアフィリングのメーカーを相手取るのか、どちらが良いのかという問題もあります。今現在は、アクアフィリング豊胸で悩まされている女性の方を集めて集団で請求することも検討していますが、誰を相手にするのかという大きな課題が残されます」

麻生氏によれば「アクアフィリング豊胸は元々、韓国で普及し日本でも広まった」と話す。

「アクアフィリングを製造したのはチェコの企業です。海外で使用が広がった後、日本でも2015年前後から豊胸目的で使われるようになりました。日本ではその後、2019年に日本美容外科学会などが『実施すべきではない』とする共同声明を発表しました。

一方で、現在もアクアフィリング注入後のトラブルで除去を希望する患者はいて、今年に入っても数十件のアクアフィリング除去と修正手術を行いました」

麻生氏によれば「アクアフィリング豊胸は直ちに命に関わるケースばかりではないものの、感染などによって重篤な状況に陥る方もいる」と言う。

「時間経過などで体内で細菌感染を起こし、皮膚の薄い箇所や過去の傷口から皮膚を突き破り、ジェル状の液体がドボドボと膿と共に漏れ出す方もいました」

ドラマの中でも登場人物が「病気でもないのになぜ体にメスを入れるのか」「命の危機に関わるかもしれない美容整形をなぜするのか」などのセリフが出てくる。

美容整形は個人の価値観が大きく左右するもので、コンプレックスの解消でQOLが上がるものとも言える。だからこそ、美容業界や美容医師たちには十分な説明と適切な施術、そしてアフターフォローが大事なのではないか。

文/河合桃子