トラブルの規模は「区役所、保健所の人員で対処できる数字ではない」
新宿区には昨年度、「ごみ集積所に宿泊者が勝手にごみを捨てている」「夜中に宿泊者が騒いでいて迷惑だ」「平日の営業が禁止されているはずなのに曜日に関係なく宿泊者が出入りしている」といった苦情や相談が前年度より542件多い1334件も寄せられた。
吉住区長は会見で「(民泊経営者が)自ら所有することもなく現地滞在することもなく、ただ利益のためそうしたことが散見されるということで、業界が招いた事態だ」と業界を厳しく批判。違法営業の調査やトラブルの規模は「区役所、保健所の人員で対処できる数字ではない」と窮状を強調した。
実は、新宿区がこの方針を決める前の7月15日、2018年6月施行の⺠泊新法による民泊拡大策を続けてきた政府が方針を大きく変える通達を全国の自治体に出していた。そこでは、住民の居住環境が著しく損なわれている場合には既存の民泊についても、
〈一定の猶予期間を設けた上で、住宅宿泊事業の実施を禁止したり営業可能日を土日祝前日等に限定したりするなどの制限を設けることも考えられる。〉
と明言。営業を禁止してもよいとし、従来の見解を事実上転換した。
新宿区衛生課の担当者は、この通達が今回の方針を決める後押しになったと指摘しながら、通達自体が自治体側からの求めで実現したものだと話す。
「民泊に関しては、東京23の特別区の区長のうち有志の21区長が5月末から6月にかけて、観光庁や国土交通省、厚生労働省、自民党本部に法改正を要望しています。地域の実情に合わせた柔軟な規制を地元自治体ができるような法体系に改めてほしいということが一番ですね。今回、そこまでいかなくても(通達の形で)方針が示されたので(新宿区の今回の方針の)根拠になりました」(担当者)
区長らは他に、届け出で営業できる民泊を許可制にすることや、施設の管理業務の再委託の禁止、悪質な事業者の排除の徹底などを求めている。













