いじめ被害者が盗撮加害者に
斉藤 わが子が加害者になるという事態は、誰もが想像したくないことだと思いますが、もしそうなった場合、保護者はどんな点を心がけるべきでしょうか。
永守 なかなか難しい問題ですね。まずは、「なんでそんなことしたの!」など感情的に𠮟責しないことが大切だと思います。その上で、どのような経緯や事情があったのか、加害行為に至った背景を慎重に聞き取ってほしいです。
なぜこのようなことをお伝えするかといえば、いじめに遭っている子どもが「おまえ、盗撮してこいよ」などと周囲から強要されて、盗撮行為に及んだ……というケースが少なくないからです。
斉藤 加害行為の背景にいじめ問題が含まれている、ということですね。盗撮加害者は、いじめ被害者でもある。
永守 たとえ、いじめの一環で盗撮をさせられていたとしても、子どもにとって性的な問題を大人に打ち明けるのは、心理的ハードルが高いものです。「親に心配をかけたくない」と思う子どもは少なくありません。
斉藤 先ほども述べましたが、子どもは大人に比べて人生経験や知識が少なく、判断能力も未熟です。さらに、行動や衝動を制御する力も弱い。そのため日本の少年法では、刑罰によって罪を償わせることよりも、教育的な働きかけによって健全な育成を図ることに重きを置いています。
こうした少年法の観点からも、性加害をした少年たちは、適切な教育や治療につなげなくてはなりません。そのため大人たちは、彼らを𠮟り飛ばすのではなく、「なぜ盗撮という行動に至ってしまったのか?」という背景を丁寧にすくい取らなければなりませんね。













