撮り鉄だけじゃない…親子連れも参戦してカオス状態だった東京駅の12分間

同日午後5時ごろ、終着駅である東京駅にもドクターイエローの到着を待つ人々が集まり始めていた。ただし、三原駅とは、ホームを埋める人々の顔ぶれも、手にした撮影機材も大きく異なっていた。

ホームで目立ったのは、スマートフォンを手に到着を待つ人々だ。学生同士や中年女性の二人組、一人で訪れた男性など、年齢も構成もさまざまだった。

とりわけ目立ったのは、幼い子どもを片腕で抱え、もう一方の手でスマートフォンを構える母親たちだ。子どもがドクターイエローのおもちゃを手にしていたり、車体に合わせて黄色い帽子や服を身につけていたりする親子もいた。

東京駅の様子。かなり混雑した様子だった(写真/読者提供)
東京駅の様子。かなり混雑した様子だった(写真/読者提供)

午後5時54分、ドクターイエローがホームへ姿を現すと、端で待ち構えていた人々が車両の進行方向へ一斉に走り出した。カメラやスマートフォンを入線する車体へ向けたまま、その横を追うようにホームを駆けていく。自撮り棒を線路側へ突き出す人や、子どもを抱えたまま人混みをかき分けて車両を追う母親の姿もあった。

その間も、同じホームでは、通常の新幹線を利用する乗客が乗り降りし、列車を待つ人もいた。ドクターイエローを追って走る見物客と、新幹線を乗り降りする利用客、その場で立ち止まって撮影する人々が入り乱れ、安全確認に立つ駅員も人波に埋もれながら、「黄色いタイルの内側まで下がってください」と声を張り上げた。

駅員が声を張り上げる場面もあった(写真/読者提供)
駅員が声を張り上げる場面もあった(写真/読者提供)

停車時間はわずか12分。「あと10分」「あと5分」「あと3分しかない」と、残り時間を告げる声がホームのいたる所で飛び交った。スマートフォンやカメラを手にした人々の流れは収まらず、少しでも良い位置から撮影しようとする人々が、出発間際まで車両沿いを埋め尽くした。

混乱のなか、午後3時ごろから子どもと一緒に新幹線を見ていたと話す母親が、目の前のドクターイエローを見ながら、「このために来たんだよね。本物、見たかったんだよね」と、声を弾ませながらわが子に語りかける場面もあった。