「そば・うどんはヘルシー、ラーメンは不健康」は偏った評価
さらに見逃せないのが、スープそのものの質の違いです。そばやつゆの出汁は主に昆布や椎茸、かつお節といった植物性・魚介性ですが、多くの場合ラーメンのスープは、豚や鶏ガラなどの動物性素材を長時間煮出して作られます。そこには植物性の出汁だけでは十分に摂りにくいコラーゲンや、筋肉・血液の材料として吸収効率が極めて高い動物性アミノ酸がたっぷりと溶け出しています。
「そばやうどんはヘルシーで、ラーメンは不健康」というイメージは、カロリーや塩分という一面的な数字だけを見た偏った評価です。結局のところ、うどんやそばであっても、卵や肉、野菜の天ぷらなどをしっかり載せれば栄養価は上がりますし、ラーメンであっても具なしでは栄養不足になります。
大切なのは、「麺の種類」ではなく、「その一杯でどれだけ多様な材料を摂れているか」なのです。その点において、最初から動物性たんぱく質と脂質を備え、満足感とともに必要な材料を丸ごと補給できるラーメンは、手軽に栄養を補給する選択肢として十分に優秀なのです。
文/和田秀樹
『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない』(KADOKAWA)
和田秀樹
2026年8月10日
1056円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4040825625
ラーメンは悪役ではない。 頼れる栄養補完食にできる。
「控える・諦める」も「暴飲・暴食」も避ける。
多くの患者のフレイル予防に努めてきた医師による、
中高年のための無理をしない食事術。
日本人の平均摂取カロリーは1970年をピークに減少を続け、現代の食生活では、栄養不足の問題も見過ごせなくなっている。
塩分制限による低栄養・筋力低下、糖質制限と認知機能低下の関連、コレステロール値と死亡リスクをめぐるデータ……。
6000人以上の高齢者を診てきた老年精神科医が、こうした知見と臨床経験をもとに食と健康を丁寧に検証していく。
著者自身も愛食するラーメンを通して、食べ方と健康寿命を見直す一冊。
【目次】
人気ラーメンスタイル別 栄養成分比較表
第1章 「ラーメン=不健康」の常識を疑う
第2章 「減塩・減脂」信仰のワナ―最新エビデンスで見る塩分・脂質の事実
第3章 糖質制限ブームの落とし穴
第4章 美味しさの神経科学―なぜラーメンは私たちの脳と心を満たすのか
第5章 和田秀樹流「罪悪感ゼロ」ラーメン実践ガイド