「今年は従業員の給料は僕の貯金から切り崩して支払い…」
政府はあるときはコメの生産量を増やせと言い、舌の根も乾かぬうちに減らせという。生産者のコメ農家にとってそれは蛇口の開け閉めのように簡単に対応できるものではなく、自身と家族の生活を支える収入に直結する一大事だ。
米価の目安になるのが、農家が出荷する際にJA(農協)が渡す前払い金である「概算金」だ。概算金は玄米一俵(約60キログラム)あたりで計算される。岡田さんが続ける。
「栃木県ではまだ今年の概算金は出ていませんが、他県の金額を見ていると2万円を切ると思います。一概にすべてのコメ農家に共通するわけではありませんが、ウチでは2万円を切ると赤字になります。今年は従業員の給料は僕の貯金から切り崩して支払い、僕自身の給料はとれないでしょうね。
今年までは従業員のボーナスもなんとかして払いますが、コメ余りが2年、3年と続いたらそれも払えなくなります。さらにそれ以上コメ余りが続けばコメ農家を廃業せざるを得ない可能性すらあります」
一寸先は闇。日本人の命を何千年も繋いできた主食の生産を担ってきたコメ農家が、かつてない苦境に喘いでいる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













