「コメ余りの状況は2、3年は続くと思います」
この2年間のコメ環境の激動について、栃木県さくら市で22ヘクタールの大規模農園「岡田農園」を営む岡田伸幸さんに聞いてみた。
「現状はコメ余りです。今年も昨年に続いて豊作になる見込みですから、令和の米騒動のときとは真逆の状態になっています。その理由は石破政権の時に増産方針になったからですよ。農家はみなさん真面目だから一斉にそれに従った。増産の効果が出るのは普通に考えれば1年以上経ってからなので、それが今出ているわけです。
ただ、それが単なる失政だったかというと、難しい判断だったとは思います。コメの不作、インバウンド需要、南海トラフ地震の臨時情報を受けてのパニック買いなど様々な要因が絡みあってコメ騒動につながっていました。その中で増産に転換したのは間違いとは思いませんが、目先のことだけを見た政策だという印象でした。
結果、豊作となり、備蓄米でコメ余りが決定的になりました。備蓄米は江藤さん時代に放出した30万トンで足りていたのに、大臣が小泉さんに代わって価格調整のためにジャブジャブに放出した結果、市場に余り過ぎたんです。その備蓄米がはけていってようやく令和6(2024)年産、令和7(2025)年産に手をつけ始めたところですから。
仲卸業者の倉庫にも高騰していた時に仕入れたコメがまだたくさんあるんですよ。今年予想通り豊作になれば余剰は拡大するでしょうし、私の見立てではコメ余りの状況は2、3年は続くと思います」
消費者対策に必死だった政府は、生産者を守るためには何かしているのか。高市早苗内閣で就任した鈴木憲和農水相は増産方針から一転、価格暴落を防ぐための「需要に応じた生産」を推進している。
「鈴木大臣の方針はその通りで正しいと思います。でも小泉前大臣は価格を下げるためにと明言して備蓄米を投じた。それって市場介入ですよね。それを現政権ではやらないと言っている。我々農家からするとコメの価格を下げるためには全力投球するけど、価格を上げるためには何もしないと言っているのと同じことです。
高市首相はコメ農家に興味がないのでしょう。備蓄米を買い戻す契約だったのに買い戻さないじゃないですか。買い戻しがないとわかったから暴落しているんですよ。高市首相はよく言えば消費者目線なんでしょうけど、ここまで翻弄されて黙っていられない。買い戻しの約束を反故にすることが許されてたまるかって話ですよ」













