野球の経験が芸人に活きたこと

—普段から言葉について考えてらっしゃいますか?

結構考えますけどね。でも炎上とかそういうことよりは、こういう言い回しのほうが面白いなとか、その観点ですけど。

—佐々木さんは「学生生活で何かひとつのことを一生懸命やってた人のほうが、その人の面白さが確立してる」という持論をお持ちです。ご自身の野球部の経験も、ネタに影響を与えていると思いますか?

はい。でも部活じゃなくてもいいんですけどね。帰宅部の人でも、多分1個めっちゃ好きなものがあったりとかしたら面白いと思うんですよ。一番面白くないのは、自分が好きとか面白いとか思ってないけど、周りに合わせて行動してたヤツが、大人になって一番面白くないやつになると僕は思うんですけど。

新刊では野球部時代のエピソードも語った
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—どうしてそう思われるのでしょうか。

自分の芯がないから、じゃないですかね。自分がそれ面白いからじゃなくて、クラスのイケてるヤツと仲良くなるために、そいつらに合わせて一緒に行動したりするヤツが、僕は一番面白くなくないと思うんですよ、大人になって。

それよりは、学生時代ずっと一人で過ごしていても、自分の好きなものがはっきりあるヤツは、その後、面白くなれると思うんですよ。

—佐々木さんの新刊からは「熱中して取り組んで頑張ってきたものがあれば、いざその目標がなくなってしまっても、次の新しい目標が見つけられる」という思いが伝わります。その次の目標を見つけて行動に移せるのは、やはり苦しい時も野球を貫いた自分自身への信頼からだろうなって思います。

自分自身は「貫いた」ってほど、かっこいい感覚ではないんですけどね。なんですかね。僕の場合は、野球をずっとやってたっていうのがあるので、野球に対して熱量を持ってしゃべれるわけじゃないですか。そして何かに「熱量のある人」って面白いじゃないですか。だからそこの感覚、「熱量」がないと……なんだろうな。

—「熱量」ですか。エバースのお二人をよく知る、構成作家の山田ナビスコさんが過去のインタビューで「佐々木がどうしてもネタの中に元阪神タイガースの鳥谷敬を入れたがって、でもそれだとお客さんがわかりづらいから取れば?」と提案してもそこは頑なだったと。

そう(笑)。いや、自分が面白いと思ってることを貫くのは、一長一短ではあると思うんですけどね。僕、学生お笑いの出身の人とかはそのあたりめっちゃ器用なイメージがあって。