なぜ? 高市政権の行方を左右する2つの法案
なぜ、この2つの法案の取り扱いが「重要」なのかと言えば、それが高市政権の行方を左右するからだ。ただ、その舞台裏は国民そっちのけの深謀遠慮とも映る。
首相は消費税ゼロ化が「悲願」とまで言い切ったが、真の悲願は「憲法改正」にある。尊敬する安倍晋三元首相でもやり遂げられなかった憲法改正を実現したいという思いは、第2次安倍政権の首席秘書官だった今井尚哉氏を内閣官房参与として起用していることからもわかる。
憲法改正と定数削減がなぜリンクするのかと言えば、その答えはシンプルである。
高市首相は自民党の鈴木俊一幹事長に衆院比例代表のみ45議席削減する案で意見集約を図るよう指示したが、この案に対しては国民民主党の玉木代表が「自民、維新に有利な中身で出してくるということであれば、我が党のみならず他の野党もなかなか『はい、そうですか』とはならない」と反発した。
全ては改憲のために
2月の衆院選で自民党は歴史的大勝を果たしたが、参院は与党で過半数割れのままだ。言うまでもなく、憲法改正は衆院と参院の総議員の3分の2以上の賛成で「発議」し、国民投票で「有効投票の過半数」があれば承認されると定めている。
与党が圧倒的な議席数を占める衆院はクリアできるとしても、参院は今のままでは叶わない。そのため、参院で国民民主党を「改憲派」として取り込むことが大前提となる。
首相と自民党幹部は、定数削減法案の扱いをめぐり国民民主党の反発を考慮する必要があるとの認識で一致していた。
強引に定数削減を実現すれば連立入りに向けた協議はもちろん、憲法改正へのプロセスでも同党の協力を得られなくなると判断したからだ。
だが、それでは連立パートナーの維新の立場がなくなる。そのため「副首都構想」関連法の成立に全力をあげ、維新側の理解を得ていくことにしたのである。すべては、首相が成し遂げたい憲法改正のためと言っても過言ではないだろう。
首相が描く「改憲スケジュール」はどのようなものなのか。それは、遅々として進まない物価高騰対策と比してスピード感のあるシナリオと言える。
4月の自民党大会で「立党から70年、時は来た。国会で議論を進めていこう」と呼びかけ、憲法改正の発議にメドをつけたい意向を示した。その具体的時期はわからなかったが、実は首相は来年早々から動きだそうとしている。













