辞任まで追い込まれる洪監督

ところがその南ア戦で洪監督は、主将のソン・フンミンを先発から外した。前半、格下と見下した南ア相手にリズムをつかめず、後半からソンを投入したが、逆に決勝ゴールを奪われグループ3位に沈没。決勝トーナメント行きの可否は他グループの結果待ちとなったあげく、願いは届かず脱落した。

最終戦でのソン・フンミンの起用法は、洪監督への批判を一気に強める火種となった。世論もメディアも、第1節で勝利した時に称賛と期待で盛り上がっていた姿とは大違いだ。

メディアも敗れた洪監督に対して、

「選手たちをもっと走らせる責任は監督にある」
「二度目のみじめな退場」
「専門サイトが洪監督の年俸は216万ユーロ(約4億円)と推定したが、これは森保一監督の2倍以上だ」

などと無慈悲な批判一色となった。

「韓国代表の帰国時に洪明甫監督へ投げつける卵を無料提供する」と主張する人物が、似顔絵に卵を投げつける映像のキャプチャー(X投稿より)
「韓国代表の帰国時に洪明甫監督へ投げつける卵を無料提供する」と主張する人物が、似顔絵に卵を投げつける映像のキャプチャー(X投稿より)
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洪監督は李大統領に罵倒された後、ベースキャンプのメキシコで現地時間28日に会見を開き辞任を表明した。そこで韓国国民に謝罪した洪監督は、

〈監督は結果を前にいかなる弁明も許されない立場だと考えています。そのため今日は説明ではなく責任について申し上げるためこの場に立ちました。国民の皆様が期待されていた結果を最後までお見せすることができませんでした。その責任はすべて監督である私にあります〉

と話し、自身の采配についての弁解は口にしなかった。しかし、采配について具体的な説明を避けたことに対しても、韓国メディアやファンの間からは「説明が足りない」とする声が上がっている。

世界の舞台で結果を出さなければ大統領とメディアと世論が一斉に監督を叩きまくる。韓国代表の敗退は、サッカー協会の体質だけでなく、代表チームに過剰な期待と怒りが集中する韓国のスポーツ文化の危うさも浮き彫りにしているのではないか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班