平均睡眠は4時間、人生で一番言った言葉は「眠い」

──気象予報士とお天気キャスターはどんな違いがあるのでしょうか?

キャスターはニュースを読むのが主な仕事ですが、気象予報士は、気象現象の予報業務を担う国家資格です。気象庁が発表する予報や各種データをもとに解析を行い、「どこに注意してほしいか」といったポイントを自分の言葉で文章にまとめて伝えています。

──実際の放送現場では、どんな流れで天気を伝えているのでしょう。

放送の3〜5時間前くらいからは、天気図や上空の大気の流れを解析したり、雨雲の予想をチェックしたりしています。担当していた放送では、主に5時・11時・17時に気象庁が発表する予報資料を確認、最新の情報を担当エリアごとに整理し「きょうは気温をメインに話すのか」「雨を中心に伝えるのか」など放送の軸を決めます。テレビであれば、テロップやフリップの発注も行いますね。

──視聴している側からすると数分のコーナーですが、その裏には多くの準備があるんですね。短い時間の中で情報を絞り込むうえで、とくに意識していることは?

「明日の天気」を伝えるにしても、予想最高気温に前日比を出すのかどうか、なぜ気温が高くなるのかを説明するかどうかなど、限られた時間の中で情報を取捨選択します。

放送が始まるまでに原稿を書きながら、その間にも新しい情報が入れば差し替えますし、本番中に雨が急に強まれば、気温の話から雨の話に切り替えることもあるんです。

取材に応じる吉井明子さん 写真/編集部撮影
取材に応じる吉井明子さん 写真/編集部撮影

──生活リズムもかなり不規則ですよね。

朝5時から始まる番組を担当させていただく日は、午前2時起きです。頭がぼんやりしている状態でも、新しい気象情報はどんどん入ってきますから、「きちんと目を覚まして、正確に伝えなきゃ」と自分に言い聞かせながらやっています。

平均睡眠時間は4時間くらいで、眠れる日に8時間くらいまとめて寝て、なんとかバランスを取っている感じですね。人生で一番言ったワードは、たぶん「眠い」だと思います(笑)。

──画面に映る仕事でもありますが、ファッションやメイクについてはどんなことを心がけていますか。

一番は「気象情報の邪魔にならないこと」を意識しています。たとえば天気が荒れているのに、ヘアメイクも服装もキメキメの状態で登場して「皆さん気をつけてください」と言っても、「なんだか余裕ありそう」と受け取られてしまうかもしれませんよね。

季節感もとても大事で、「明日は寒くなります」と言いながらノースリーブを着ていたら説得力がありません。地方局時代は衣装が自前だったので、同じ服ばかりにならないように、どの日に何を着たかを絵日記のように記録して管理していました。

──職業柄、「天気の見え方」が一般の人と違うなと感じる瞬間はありますか。

「今日、暑かったね」と言われると、「たしかに昨日よりは気温が高いんですけど、今日は何月何旬並みで…」と説明したくなってしまうんです。でも話が長くなるので、ぐっとこらえて「そうですね」で済ませています(笑)。

あとは、空を見ているだけで興奮できます。彩雲のような雲が虹色に輝く現象や、太陽の両側に虹色の光が現れる幻日など、レアな現象を見つけるとテンションが上がって、周りに教えてあげたくなるくらいです。