壱太郎が歌舞伎以外で「死ぬる覚悟」で取り組んでいること

――近年、映画『国宝』の影響で歌舞伎への注目が高まっていますが、“歌舞伎を知らない層”にも届いている実感はありますか?

團子 今年3月に大学を卒業したんですけど、大学の同級生が「歌舞伎を観てみたい」と言ってくれたり、先月、シアターミラノ座で『獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)』に出演した際には、たくさんの友人が観に来てくれました。

「チケットを取りたいんだけどどうすればいいの?」と事前に聞いてくれた友達もいれば、急にLINEで「今日、観てたよ」って教えてくれる友達もいて、とても驚きました。

壱太郎 僕は今年3月に京都・南座で『曽根崎心中物語』という公演に出演したんです。その公演では、途中で退屈になり離脱してしまうお客様を減らそうと、作品を新しく書き換えて、尾上右近くんと一緒に1カ月46回公演したんですよ。

――1カ月46回⁉ それはかなり多いですね。

壱太郎 熱い想いで1カ月駆け抜けて、毎日満員御礼でした。さらに、演目としてアフタートークショーを30分取ったんです。そこで「お化粧って自分でされるんですか?」とか、「なんで女方の人は声が高いんですか?」とか、僕らが当たり前と思っていたことに対する素朴な疑問にいっぱい巡り合えたことで、いろんな方々に興味を持っていただいているんだなと感じました。

――それはとても嬉しいですね。

壱太郎 あと映画『国宝』の台詞で「死ぬる覚悟が~」が話題になりましたが、ある人が「壱太郎さんにとって、歌舞伎以外で『死ぬる覚悟で』やっているものはありますか?」って質問してくれて、今探している最中なんですが、今だとやはり『もののけ姫』のサンとして生きることを、「死ぬる覚悟で」やっていこうと思っています(笑)。

映画『国宝』で俳優に所作指導をした中村壱太郎。観客から「あなたの『死ぬる覚悟』は?」と訊かれたこともあったという
映画『国宝』で俳優に所作指導をした中村壱太郎。観客から「あなたの『死ぬる覚悟』は?」と訊かれたこともあったという