スーパー歌舞伎の魅力は“3S”
――團子さんの祖父・二世猿翁さんがスーパー歌舞伎を創始されて今年で40周年ですが、改めてスーパー歌舞伎の魅力を教えてください。
團子 特徴として挙げられるのは「スピード」「スペクタクル」「ストーリー」の“3S”です。
――“3S”についてそれぞれ教えてください。
歌舞伎って時間軸がゆっくりしている印象があると思いますが、スーパー歌舞伎ではまず、現代のエンターテインメントに寄せたテンポのいい「スピード」感溢れる劇を目指しています。そして二つ目の「スペクタクル」は、歌舞伎ならではの演出をふんだんに使って、視覚的にインパクトのある仕掛けや演出をしています。
三つ目の「ストーリー」に関して、歌舞伎は江戸時代に成立しましたが、スーパー歌舞伎では現代の人に届くテーマ性のある物語を選んでいる点が特徴です。
――なるほど。歌舞伎初心者の方でも気軽に楽しめそうですね。
團子 そうですね。“3S”に加え、もう一つ大事なのが、ほとんど現代語だということです。これはやはり革命的なことで、事前勉強なしで理解できます。歌舞伎は「見取り狂言」といって、人気の場面だけをピックアップして上演する、現代で言えばYouTubeの「切り抜き動画」みたいな形式が多いんです。
江戸時代など昔の時代は、全部の物語を把握したお客様が「見取り狂言」を見て楽しむことができました。だけど、スーパー歌舞伎はその公演だけで始まりから終わりまで、物語が完結するようにできています。
――現代の観客に向けた工夫が随所にあると! 特に“予習なしで楽しめる歌舞伎”は大きな魅力ですね。
團子 スーパー歌舞伎はよく「新しい歌舞伎」と言われますが、使われる演出自体は、古典に根差したものばかりなんです。歌舞伎初心者の方にとっては、話も分かりやすく、「歌舞伎ってこんなに面白い面があるんだ」と知ることができるのが、スーパー歌舞伎の魅力だと思います。
――今回、原作がありなおかつジブリの人気作である『もののけ姫』を歌舞伎でやる意義をどう感じていますか?
團子 もともと歌舞伎は様式美だったり、デフォルメの演劇と言われています。リアルな演劇ではなく、一つの物事の本質の部分を抜き取って、感動する部分を何倍にも増幅させて演出する。だからこそリアルを越えたリアルを生み出すことができる。それが特徴なんです。
『もののけ姫』は、美しい絵面と壮大なスケールがテーマなので、そういった点でも歌舞伎と合うと思います。リアルではない、非日常の世界観なので。“歌舞伎”で描く『もののけ姫』は、両者の科学反応がうまくいけば、作品の本質が大変良くお客様に伝わるんじゃないかなと思っています。
取材・文/木下未希 撮影/村上庄吾












